日本初のヨガ映画、だそうです。今やヨガといえば芸能人やモデルなど、流行に敏感でボディコンシャスな人たちの間で人気の美容法というイメージになりつつありますが、もともとは心と体を宇宙や神と結びつけるための修行法として、インダス文明で生み出されたもの。体を動かすだけのエクササイズとは一線を画し、独自の哲学や精神統一、瞑想などを取り入れているのが大きな特徴です。
そんな〈ヨガ〉を通じて友情を深め、自分の幸せと向き合っていくという癒し作品が『シャンティデイズ 365日幸せな呼吸』。登場するふたりのヒロインは、抜群のプロポーションがまぶしい道端ジェシカ×実力派の門脇麦。おお、今どき感あふれていますね。
スピ雑誌『Trinty』のWEB版に掲載されている記事によると、「監督(永田琴)もヨガに精通していて、上っ面だけではなく体験から現れる言葉、セリフが魅力」とのこと。これはさぞかし本格的なヨガ映画なのでありましょう。きっと宇宙とスピリチュアルと気づきと癒しと奇跡に満ちあふれ……(妄想)。というわけで、早速TSUTAYAでDVDレンタルしてきた次第です。劇場へ足を運ばずレンタルで済ませたのは、何かのお導きかもしれませんが。
物語は、〈東京のキラキラ〉に憧れて青森から家出してきた海空(=ミク、門脇麦)が原宿をうろつくところから始まります。これがまあ、1ミリも好感を持てないヒロインでびっくり! あごを突き出し不気味にニカっと笑いながら挙動不審な動き&迷惑なハイテンション。空気は読めないが行動力はすさまじく、TVで偶然見たヨガインストラクターのKUMI(道端ジェシカ)にひとめで憧れ、全力でストーカー活動を開始……って、いくら同性とはいえ、この物騒なご時世、これだけで背筋がゾゾーッとするんですけど。まあいいや。
ヨガ要素があるような、ないような
ところがある日、KUMIを追いかけヨガ教室にせっせと通っていた海空が、突然姿を消してしまう。「鬱陶しいけどいなくなると寂しいかも?」なんて少女マンガ的思考でKUMIが心配していると、大荷物を抱えた海空、再登場。なんでも、何もかもうまくいかないのはブスなせいだと美容整形を受けようとウロウロしていたらウサン臭い男にひっかかり、なけなしの貯金と家電、ついでに処女もまるっと奪われましたとさというベタな展開です。
ここでようやく、ヨガ活躍! 「おっかねえよ~! もう東京やんだ~!」と大泣きする海空をスタジオに引き入れるKUMI。そしてなぜかマンツーマンのヨガレッスンが始まる。
「鼻から息をゆっくり吸って。空気のエネルギーを取り入れて~(以下略)」
次第に落ち着きを取り戻す海空の姿に、さっきと顔色も全然違う! まるで魔法みたい! とキャッキャする女子2名。そこですかさず「じゃ、元気でね~」と青森へ送り返せば平和だと思うのですが、「1晩だけよ」といいながら海空を家に泊め、そのまま居候されてしまうKUMI(危機感ゼロ!)。そしてまんまとゴージャスな寄生先をゲットした海空の生活が充実していくのと反比例して、KUMIにはさまざまなスランプが押し寄せ……。
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