真夏のまんこホラー『闇に咲いた毒の花』
夏になると、毎年思い出す恐怖体験があります。
あれは新婚当初、まだ暑さは続くものの、夏が終わろうとする時期でした……。
当時住んでいたのは木造2階建ての古い借家。
霊感の強い当時の夫が言うには「でる」家でしたが、鈍感なわたしには見えないので、そんなに気にしていませんでした。
だけどあの夜は、そんなわたしでも、なぜか不吉な予感がしたのでした……。
その夜も夫は遅い時間の帰宅でしたが、いつものように先に寝ていたわたしの布団に入ってきました。新婚でしたので、あの頃は猿のように毎日してましたっけ……(遠い目)。
ただ、わたしは夫が外から帰ってきても石鹸で手を洗わないことが、以前からちょっと、いや、かなり気になっておりました。しかし夫に「アトピー持ちだから石鹸で手が荒れるのがいやだ」と反発されると、強く言えません。
でも、いつもなんだか爪の間が真っ黒……。
この日も仕事でいろんな機材を触った手を、ささっと水道水で流した程度でまんこを触られるのかー、と思うと若干憂鬱でした。
というのも、昨日からまんこがほんのちょっと、しみるというか、痛かったのです。
きっと毎晩ヤッてるから荒れてるんだ、きょうはさっさと済ませてもらって寝よう……そう軽く考え、夫を受け入れました。
しかし、3こすりくらいでまんこに激痛が走りました。
あまりに痛いので、ちょっと休憩してもらい、風呂場でそっとまんこを確認したわたしは……
キエーーーーーーー
自分の股間に信じられないものを見つけて、思わず山岸涼子先生の漫画にでてくるヤバい人みたいな奇声をあげました。
それは例えていうなら、真っ赤で、ブツブツした、奇妙な、「毒の花」でした。
どんな状態かというと……
まんこ(であったはずの)部分の内側が、腫れのために赤黒くぱっくり盛り上がってめくれ、さらにその表面にはジンマシンのようなブツブツがびっしりとはりついているのです……!(ご飯中の方、すまんこ)
単なるまんこでさえエグイのに、こんなに恐ろしい形状……一体どんな病気!?
もし性病なら、夫としかセックスしていないので、感染源は夫。しかし、長いこと童貞で風俗にも行けない奥手な夫が新婚早々に浮気など、考えられません。
念のため、夫に確認しましたが、もちろん身に覚えはないといいます。たしかに夫のちんこが感染源なら、夫だけぴんぴんしているのもおかしいです。
なぜ夫は謝罪しないのか?
翌朝、産婦人科に駆け込んだわたし。
原因は、雑菌による皮膚炎。全治1週間。やはり、きちんと洗わない不潔な手で触られたことによる炎症でした。
幸い、薬を塗るだけでひどい腫れは3日ほどでおさまり、1週間後には元気なまんこに回復しました。
しかし、わたしがもっと愕然としたのは、その後のことです。
当然夫に、雑菌でまんこが腫れたこと、それはあなたが手を洗わないのが原因だよ、と告げたのですが、いつも優しい夫が、なぜかムスっとし、「ごめんね」のひとこともなく、スルー……。
手を除菌しようとか、何か対策を立ててくれるわけでもなく、相変わらず爪の間は真っ黒のまま。
なぜ謝ってくれないんだろう?
わたしはまたまんこが腫れると思うと夫とのセックスが怖くなり、徐々にセックスレスになってゆき、わたしたちの関係も徐々に冷え切ってゆきました。
つまらないケンカの場合は夫から折れて謝ってくれたこともありましたが、あの毒の花の件についての謝罪は、結局離婚したいま現在も、ありません。
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