「TENGAがバイブを?」ーー耳を疑いました、一瞬。しばらく前に耳にした、「TENGAが新開発のバイブを発売する」というウワサ。いやいや、それ間違いでしょ。「irohaがバイブを」でしょ。とドヤった私……が、いまとなっては恥ずかしい!
TENGAはエロに多少なりとも感心がある人にとっては、もはや常識中の常識。男性用マスターベーショングッズ、オナキャップの世界的ブランドです。
で、同メーカーによる女性向けグッズブランドが「iroha」。ローターやバイブがラインナップされますが、スタイリッシュなTENGAとは対照的に、ふんわりやさしいテイストで、生活空間にあっても違和感のない意匠が持ち味。私のベッドサイドにはいつも、昨年発売された「iroha+ くしねずみ」が常備されています。シリーズ中でいちばん好きですね。
つまり「TENGA=男性向け」「iroha=女性向け」です。
が、新発売の「TENGA Δ(デルタ)」は、その名のとおり、TENGAブランドによるバイブ。なぜ……と首をかしげるより前に、「黒ッ!」という言葉が私の口をついて出ました。トップ画像を見ていただければ一目瞭然、全身真っ黒、そして商品名「Δ」まんまのフォルム。なるほど、たしかにこれはirohaテイストではありません。
このデルタは、「男の手にフィットする新型バイブレータ」。男性が「これで彼女を気持ちよくしたい!」と思って手にとるシーンをイメージして開発されたものです。うん、それはとても腑に落ちる。カップルで使うもの、であれば男性の感性を丸っきり無視するのもオカシナ話です。
斜めになるには、理由がある。
黒=男性的、とするのも短絡的。日本の「THE 昭和バイブ」における黒はテカテカして品がなく、女性の琴線に触れないものでした。が、欧米のグッズブランドでは黒がたびたび採用されています。男性的な印象はなく、シックな雰囲気。上質な素材を使っているがゆえ、というのもありますが、フォルムやブランドイメージを考えたうえでトータルデザインされているからでしょう。
小さいながらまっすぐに屹立したデルタ。でも、押し付けがましい“男根主義”はそこにはありません。男性が自分の好みで選びながらも、女性と一緒に遊べる、愉しめるための仕掛けがあるからです。
たとえば、このトランスフォーム機能。
先端をくるっと回転させればこんな形に……「アンメルツヨコヨコ!」と思っても、口にしてはいけません(でも、TENGAさんの社内でもきっとこの声が上がっていたのでは……)。小林製薬のサイトを見ると、アンメルツヨコヨコの特徴は、
「容器の首の部分が曲がっているので、塗りにくい背中や腰の患部にでも、薬液がにじみ出るラバーキャップがピッタリと接し、スムーズに塗布することができます」
とありますが、これを、
「バイブの先端が曲がるので、触れにくいポイントにも振動部分がピッタリと接し、スムーズに快感を引き出すことができます」
と言い換えると、このトランスフォームの意味がわかりやすいでしょう。こうして角度をつけることで気持ちいいところをピンポイントで狙いやすい、刺激に変化をもたらしやすい、という狙いがあります。
カップル向けグッズなので彼氏に手渡すと、さっそくこのトランスフォーム部分をくるくると回して、まっすぐにしたり、斜めにしたり。こういうギミックが好きなのって、何もウチの彼にかぎった話ではありませんよね。男心をくすぐる、ってやつでしょうか。
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