今もなお、爆発的売れ行きの“世界最薄コンドーム”「サガミオリジナル001(以下「001」)」を生みだした「相模ゴム工業株式会社」。今回お話を伺ったのは、同社の「営業企画室」に配属され入社3年目を迎える磯部仁沙(いそべ みさ)さんです。大学卒業後、ホテル業界へ就職しますが、「広報」「商品企画」に携わりたいという自分の軸を見つめなおし、入社1年目で退職を決意した磯部さんは、「面白い会社」を求め、転職活動をスタートさせます。なぜコンドーム業界を選んだのか? 女性用アダルトビデオがきっかけだったといいます。
――相模ゴム工業「営業企画室」での、具体的な仕事内容を教えていただけますか?
磯部 「営業企画室」では、大きく分けて「広報」「企画」「マーケティング」という3つの業務を3名で担当しております。ひとつめの「広報」では、様々な媒体様からイベント協賛や広告のご提案を受けて、実施についての打ち合わせをします。今は、プレスリリースの書き方も勉強中です。ふたつめの「企画」では、開発担当者から新たな技術について説明を受け、商品化した時のターゲット層や、それに併せてパッケージを考えていきます。最後の「マーケティング」では、既存の商品に対して販売戦略や広告宣伝を考えていくという内容になります。
――就職活動中から、企画・広報業務に興味を持っていたのでしょうか。
磯部 転職で「相模ゴム工業」に入社したんですが、就職活動中も消費者が商品やサービスに触れる一度目の機会を作りたい、というハッキリとした軸が自分の中にはありました。大学卒業後、ホテル業界に就職が決まりフロント業務を行っていました。希望職種は営業や企画、広報業務だったのですが、5年間はフロント業務や現場での業務だと聞いて……、まだ入社して1年目の1月でしたが、少しでも早く自分の志望する仕事をさせていただける、面白い会社を受けたい! と、転職先を探しはじめました。
――そして「相模ゴム工業」に。
磯部 募集していた仕事内容が、「営業企画」で“広報や商品企画”って書いてあって「これは、私が求めているものにピッタリだ!」と思って、面接を受けました。
――面白い会社を探していた、ということですが「相模ゴム工業」の面白さとはどういったところで感じていますか?
磯部 社長がユーモアに溢れてますね。社長との最終面接のときも、私がケニアでキリンを見た雑談しかしていなかったんですが、それを聞いてくださって終わったような(笑)。あと、弊社にコンドームの形した植木があるんですが、社長の送り迎えをしている弊社の社員が、空いている時間に剪定していて、ふと気が付いたらこうなっていたという(笑)。おもしろ会社です。
女性の“性”の裏側を支える仕事に興味があった
――「営業企画」といっても業種は様々あると思うんですが、コンドーム業界に興味があったんですか?
磯部 ありました。大学時代に、女性用アダルトビデオの研究をしていたことがありまして。
――研究を?
磯部 出演されている女優さんや、表に出ている方の情報はたくさんありますが、女性用AVのメーカーさんって、女性が女性のために作ってるじゃないですか。そういう女性の性の裏側を支える仕事って面白いなぁと興味があってメーカーさんをはじめ、大学時代に色々と研究していたんです。その流れでコンドームメーカーにも興味が沸いて、転職活動の際、広告代理店などの企業とともに、相模ゴム工業にもチャレンジしてみました。でも大学時代は、自分が性に関する業界で働くことになるとは思ってなかったので、ミイラ取りがミイラになったなって思っています(笑)。
――その他の企業も受けていたということですが、「相模ゴム工業」入社への決め手はなんだったのでしょうか。
磯部 私の面接をした上司からの言葉が1番の決め手でした。その上司から内定の電話を頂いたんです。応募者数は200名だったらしいんですが、電話口で「おめでとうございます! 200分の1は磯部さんになりました!」って。こんなに素敵な言葉を言える人のいる会社で働きたい! と決めました。
――他に携わってみたい部署や業務はありますか?
磯部 今、「営業企画」で3年目を迎えて、出来ることも少しずつ増えてきている状態で、楽しくなってきているのと、2020年の東京五輪の選手村でコンドームが配られるんですが、それに「営業企画」が携っているので、それまでは今の部署で頑張りたいと思っています。将来の目標としては、弊社はフランスに関連会社があって、弊社で作った商品をフランスで販売しているんですが、そこで何かチャレンジできることがあれば、と思っています。