セックスレスと一口にいいますが、どのくらいで“レス”だと感じるかは人それぞれでしょう。週3日はいそしんでいます、というお盛んカップルだったら、2週間しないと「最近、ゴブサタだわ……」と思うでしょうが、そもそも1カ月に1度するかしないかのペースであれば、最後のセックスから3カ月ほど経ってようやく「あれ、そういえば最近してなくない?」こともままあるでしょう。
とはいえ、セックスレスが社会的に議論されるとき、そうした“個人の感覚”を基準とすることはできません。よって、日本性科学学会による次の定義にしたがって話が進められることがほとんです
「特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャル・コンタクトが1カ月以上なく、その後も長期にわたることが予想される場合」
1カ月、短ッ! と思いませんか? 人生の3分の1はいやらしいことを考えてきた(みうらじゅん氏の半分くらい)私のような人間でも、そう感じてしまう定義です。夫婦でも恋人同士でも、忙しい現代人、気づけば1カ月なんてあっという間、そういえば今月一度もしてなかったわ~、となりがちです。
黙っていても、セックスはやって来ない。
平日は毎日忙しく、セックスもしたいけど睡眠時間を確保したい。週末、家でゴハンを食べると、つい気が緩んで飲みすぎてしまい、ちょっとぐらいイチャイチャはするものの、いつの間にか寝落ちしていて、ハイ週末終了~~~。これが私にとっての“あるある”です。
かといって不仲でも、気持ちがすれ違っているわけでもなく、円満ちゃ円満。セックスレスはカップルにとって危機的状況として語られることが多いですが、当人たちは「いや、私たちぜんぜん大丈夫だし」ぐらいの感じだったりします。そもそも双方ともにセックスを必要としないカップルもいますから、一概に危機的だと断じることはできません。
と考えると、上記の定義で大事なのは1カ月という数字ではなく、「その後も長期にわたることが予想される場合」……この一文であることがわかります。あまりに頻度が下がると、“セックスする”日常が遠のき、“セックスしない”日常に変わります。そのほうが居心地がいいと感じる人がいることも知っていますが、少なくとも自分が今度もセックスしつづける人間でありたいという意志があるなら、“長期にわたることが予想される”段階で手を打っておく必要があります。
先述したように、私も簡単にプチセックスレス状態に突入します。セックスとは黙っていてできるものではないのだなと、つくづく感じます。セックスする意志をキープしつづけ、そのために時間を調整したり、相手を誘ったり、場合によってはその気にさせたり……けっこう面倒。「セックスしない理由」を問うアンケートで、「面倒だから」「疲れているから」が必ず上位にくるのは、まったくもって道理なのです。
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