知的かつ紳士。そして素敵な仕事人。もっと多くのステージで光が当たるべき人物――AV OPEN2016にて男優賞を受賞したベテランAV男優・田淵正浩さん(49)をご存知でしょうか。
田淵さんがデビューしたのは、22歳の大学3年生だった1990年1月。90年代といえば、加藤鷹さんやチョコボール向井さんなどの自己主張の強い人が一世を風靡していました。彼らと同期の田淵さんは、当時の自分を「いわゆる“ヘタレ”な男。体力もないし、意志もないし、だらしない。その辺にいるダメな人」と振り返ります。そして、「ビビリな自分が本業にできるとは思っていなかった」と。でも、どうして49歳になった今も20代の男優さんに負けないような、高いパフォーマンスを発揮できるのか――その理由は、先日発売されたAV監督・二村ヒトシさんとの共著 『秘技伝授 男ノ作法 人生と肉体を変革させる性交法則』(徳間書店)に詰まっていました。
そこで今回、同書を片手に田淵さん本人にインタビューを敢行! “AV業界屈指の健康マニア”と呼ばれる田淵さんの健康法に迫った前編に続き、ベールに包まれた素顔、そして、田淵さんの代名詞でもある粘着質なセックスに秘められたまさかの事実にもグイグイ迫ります!!
■前編
田淵正浩に直撃! 男優賞を受賞したベテラン男優が明かす「楽して効率良くセックスできる“健康法”」
ヤリたいという衝動は10年目でなくなった
――同書で「そもそもセックスは好きなのか……」と二村さんから問われて、田淵さんは「もちろん嫌いじゃありません。でも、ヤリたいという衝動は、男優10年目以降はほとんど感じたことがありません」とお答えになっているんですね。ということは、アラサーの時点でもう自発的な「ヤリたい」は消失していたんですか? 本当はまったくヤリたくないのに、仕方なくセックスしてきたんですが?
田淵「大きく言えばそうなんですが、昔は2年おきくらいに壁があったんですよ。ヤリすぎちゃって『もうこの仕事辞めたいな』とか『セックスしたくないな』とか。それをゆっくり乗り越えていって、もう10年目くらいには達観して、壁さえもなくなっちゃったんですよ。そういう意味で『ヤリたいという衝動がなくなった』というか。ヤってくださいって言われたら『はい、ヤリます』って出来るんです。もうロボットみたいになっていて。プロのカメラマンとか野球選手とかもそうだと思うんですよ。普段はカメラもバットも持ちたくないけど、やれって言われたらすぐできちゃう。そういう感じかなと」
――あくまで、職業としてのセックスですね。壁がなくなったという30歳前後の時って、ご自身の健康を気にする前ですか?
田淵「気にし始めた時期ですね。いろいろ身体に良いことを試してもその直後は元気になるんですが、長続きはしなかったんです。何か根本的な問題がある気がして勉強を始めて、32~33歳くらいの時に東洋医学の治療室に通い始めて改善されたんですけど、それまではずっとダメで悩んでいたんです」
――パワーが足りない、と。
田淵「そうなんですよ。いわゆる“ヘタレ”な男で。体力もないし、意志もないし、だらしない。その辺にいるダメな人でした。中の下の下くらい」
――当時、プライベートではヤリたい気持ちになっていましたか?
田淵「ちょっとだけ……」
――ちょっと!!! AV男優の田淵正浩さんが、ちょっと!!!
田淵「やっぱり週5日くらいはずっと仕事してましたから、私生活での性欲はあまりなかったですね。よっぽど体力がないと出来ないと思います。スポーツ選手って性欲が強いんですよ。やっぱり身体が活性化してるから、元気があっていくらでもヤれるんです。女子も一緒です。日体大出身の戸川夏也さんっていう僕の2個上の男優さんが言うには『日体大女子はAV女優どころじゃない』らしいですよ」
――そのお話は噂としてはよく聞きますよね。
田淵「性欲と体力って直結してるんです。皆さん、セックスするんだったら、まず運動して身体を鍛えるしかないんですよ」
――なるほど。では同書にて、二村さんに「仕事外の性欲」について問われた箇所では、「プライベートでやりたい気持ちになるのは年に数回くらい。でも遊び歩くこともないので、現実的にそういうシチュエーションはない」とありますが、田淵さんは特定のパートナーがいらっしゃるんですか?
田淵「はい、結婚しています。2回目ですけど。初婚は32~33歳くらいの時に籍を入れて、1年で離婚しました。相手が『結婚しよ』って言うから『じゃあ』って結婚して、1年後に『まーくんつまんないから別れる』って言われて『あ、そう。じゃあ』って別れましたね」
――引き止めなかったんですか?
田淵「僕はその子のこと好きだったから、『結婚したいんだったらしますよ、別れたいんだったら別れますよ』っていう考えでした」
――どうして離婚に……。
田淵「相手は、僕より9個上の女性だったんですけど、運動してたからすごい元気で、僕より若く見えるんですよ。元気な人だったんで、多分恋愛も他でしてただろうし、金遣いも荒くて、ちょっとおてんばで、やんちゃな女性でした。引き止めはしませんでしたけど、僕もショックだったんでしょうね。離婚してから、お酒飲む癖が付いたり、煙草も30歳で止めてたんですけど1年くらいは吸っちゃったり。煙草は止められたんですけど、今でもお酒の癖だけ残っちゃって。それまではいわゆる飲めない人だったんですけどね。明石家さんまさんも同じらしいんですけど、離婚して飲むようになっちゃったんです」
――今も飲まれますか?
田淵「10年くらい前がピークだったんですけど、今は子供もできたんで減りましたね。奥さんも酒飲みだから、あんまり僕だけ飲んでると怒られちゃいます」
――再婚はいつされたんですか?
田淵「8年前です。できちゃった婚で。相手は当時まだ20代だったので、全然結婚する気がなかったようなんですけど、子供ができたから観念したというか、『ハンコ押しましょ』って言いました」
――できちゃった婚ってことは、今の奥様とは自発的にセックスしたいなって思ってたんですか?
田淵「そうですね。まあ、たまには思うんですよ(笑)」