草なぎ剛(42)主演ドラマ『嘘の戦争』(フジテレビ系)が、3月14日の放送をもって最終回を迎えた。視聴率は第1話から順に11.8%、12.0%、11.3%、11.1%、11.5%、10.3%、10.9%、11・5%、10.5%、11.6%(関東地区/ビデオリサーチ社調べ、以下同)と推移していき、全話2桁という記録を達成。フジテレビ系のドラマでは2015年10月~12月に放送された石原さとみ(30)主演の月9ドラマ『5→9 ~私に恋したお坊さん~』以来の記録であり、大成功だったと言って良いだろう。なぜ『嘘の戦争』は成功できたのだろうか。
まず第一に草なぎの活かし方を知っている「関西テレビの制作だったこと」が考えられる。関西テレビ制作の連続ドラマは、2015年に全話平均視聴率4.1%というど偉い数字を叩き出したEXILE・AKIRA主演『HEAT』をはじめ、遠藤憲一と渡部篤郎がW主演を務めた『お義父さんと呼ばせて』で6.9%、伊藤英明主演の『僕のヤバイ妻』で8.2%など、ここ最近ヒットに恵まれておらず好調だったわけではない。しかし草なぎ主演にした途端、全話平均視聴率18.3%の『僕の歩く道』(2006年)、13.0%の『37歳で医者になった僕 ~研修医純情物語~』(2012年)、13.4%の『銭の戦争』(2015年)とヒットドラマを連発してきた。2013年には関西テレビ放送開局55周年記念ドラマ『神様のベレー帽 ~手塚治虫のブラック・ジャック創作秘話~』に草なぎを主演で起用し、視聴率12.7%を記録している。草なぎとの相性が良いと言えるだろう。
また、『嘘の戦争』はわかりやすい勧善懲悪的なストーリーなうえに、序盤は毎回敵をひとりずつ倒していく1話完結に近いスタイルで非常に見やすかったことも成功の要因だろう。中途半端に時勢を取り入れず、フィクションとして作り込んだところが、何でもありのご都合主義を実現して、視聴者に清々しい気持ち良さを与えた。
さらに、脇を固めるキャスト陣の選出も絶妙だった。無駄に旬のタレントを起用する”事務所のゴリ押し”が感じられないキャスティングで、比較的演技経験が浅いSexy Zone・菊池風磨や水原希子、山本美月なども実力派俳優たちが上手くカバーできるような適役に配置されていた。
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