放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰する「第54回ギャラクシー賞」で、テレビ部門特別賞を『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が受賞した。2007年から放送がスタートした『イッテQ!』は現在も絶好調で、5月の放送は5週連続で視聴率20%超え(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という凄まじい記録を残している。最新6月4日の放送では平均視聴率が21.6%であった。
『イッテQ!』は金も時間も体力もふんだんに使った海外ロケに定評がある。過酷なロケで撮れた見たこともない映像や、センスを感じさせるVTR編集など人気の要因はいくつもあるが、出演者が魅力的という点も無視できないだろう。宮川大輔(44)、NEWS手越祐也(29)、イモトアヤコ(31)、森三中をはじめとした多くの芸人が、同番組をきっかけに魅力を開花して爆発的な人気を得た。同番組出演まで知名度が全くなかった芸人・イモトはまさに『イッテQ!』が発掘した逸材で、これを『イッテQ!』の大きな功績と見る人も多い。しかしもう一人、同番組に救われたと言っても過言でない人物がいる。出川哲朗(53)の魅力を再発見したことこそ『イッテQ!』最大の功績だと見ることも出来るのだ。
出川と言えば、かつては女性誌が行う「嫌いな芸人」「抱かれたくない芸人」ランキングの上位常連者だった。それが今では子どもたちのヒーローになり、女性たちからカワイイと評される人気者に。出川は『イッテQ!』においては、<キモい男の代表格>を演じることなく自然体のおじさんらしいリアクション芸に徹している。過酷なロケでもそれを「おいしい」と思って不満を言わず(テレビ的なショーとして漏らすことはあるが)、全力で取り組むプロ根性はさすがというほかない。松本人志(53)は出川を「あの人は自分が死んでも笑いをとれれば本望って人」と評価したこともあるという。ただ2017年4月には、岡村隆史(46)が「昔はいつ死んでもいいって言ってたのに、今はブレイクしたから死にたくないと言っている」と暴露していた。
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