「日本の若者は、セックスにあまり関心がないらしい」――。イギリスのBBCニュースが、『セックスレスな日本の若者たち それはなぜ』と題して、セックスへの興味が薄い、またはセックスがしたくてもできない日本人の若者を取り上げました。
BBCが見た“セックスレスな日本の若者たち”
番組の冒頭では、日本の性風俗はかねてから有名なこと、また日本はラブホテルを発明した国である(つまり国民の性欲解消のための性産業はさかん)ことを紹介した上で、セックスレスな日本の若者たちを問題視していました。そういった若者の例として、番組には“セックスに興味があるけどできない男性”、そして“そもそもセックス自体への興味が薄い女性”が登場していました。
過去に女性に振られてしまった経験から「自分に自信がない」と語るお笑い芸人の晴レルヤ・あの松井さん(26)は、傷つきたくないから、情けないと思いながらもアニメとかマンガといった趣味に逃げてしまうと言います。彼いわく、「僕みたいな人は結構いる」そうです。
一方で、アカウント・エグゼクティブ(広告代理店の営業職)の杏奈さん(24)は「性欲より食欲とか、睡眠欲のほうが大きくて、(セックスが)自分にとって必要なものだとはあまり思っていない」と語っていました。なんでも、「いろんな人と出会う瞬間が好きなので、もしそういうのを(彼氏に)制限されたりしたら嫌」とのこと。
この2人はあくまで一例ではありますが、国立社会保障・人口問題研究所が昨年9月に発表した2015年の調査によると、「性経験がない」と答えた18歳~34歳の未婚男性の割合は42%、未婚女性の割合は44.2%。また、「異性と交際したことがない」と答えた18歳~34歳の未婚男性の割合は69.8%、同様に答えた未婚女性は59.1%。どちらも過去の調査に対して、増加傾向にあるようです。
番組は、アーティストのろくでなし子さん(45)にもインタビューしていて、彼女は「人間関係っていうのは、イチから築いていかないといけなくて、(中略)そういうのが面倒くさくて。でもセックスみたいなのは、自分でも(オナニーで)処理できる」とコメントしていました。
そういったインタビューや数字を元にBBCは「原因はネットポルノかもしれないし、低い自己評価かもしれない。あるいは家父長制度の呪縛から逃れたいのかもしれない。理由はなんであれ若い日本人の半数近くが性的な関係性の経験がまったくないまま30代に突入している」という結論に導いていました。
セックスレスはいけないこと?
BBCの『セックスレスな日本の若者たち それはなぜ』に対して、当事者である日本の若者は何を思ったのでしょうか。ネット掲示板などを見ると、以下のようなコメントがありました。
「しないんじゃなくて出来ないんだよ……」
「若者4割くらいは未経験って、そんなもんだと思う」
「オナニーはしてるぞ」
「単に娯楽が増えただけ」
やはり、セックスしたくてもできないと思う若者が多いのでしょうか。また「娯楽が増えただけ」という意見があったように、セックスが他の多くの娯楽と並列で捉えられている側面もあるのかもしれません。また、アダルトビデオにVRが導入されたり、アダルトグッズの進化など、オナニーが捗るカルチャーも日本では栄えまくっています。
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