10代のときは、ロストバージンさえすればオトナだと思っていました。同級生の前でワケ知り顔をして見せたり、経験人数が多ければ、またはちょっとアブノーマルなことをしていれば、それだけで一歩も二歩も先んじた気になったり……。振り返ると、いかにも背伸びをしているだけのコドモです。じゃあ、オトナのセックスって何? “20歳”という年齢を堺にオトナとコドモにわけるなら、オトナになってかなりの年月が経つ私がこう考えたのは「性人式」というイベントにお呼ばれしたからでした。
性に対してオトナの人を「新性人」として認め、祝福するーーと銘打って、去る1月14日、阿佐ヶ谷ロフトで開催されたこの式は、司会が“外タレ”の猫ひろしさん、範田紗々さん(女優)。ゲストは二村ヒトシさん(AV監督)、琥珀うたさん(AV女優)、しみけんさん&イセドンさん(ともにAV男優)、水嶋かおりんさん(風俗嬢講師)……と、豪華すぎかつ、プロフェッショナルな面々。趣味でバイブを集めているだけの一会社員が混じるなんて、場違いもいいところですが、ここはひとつ勉強させていただくつもりで、末席にちょこんと座しておりました。
リアル二十歳男子の鏡割で幕を開けましたが、実は酒樽のなかに湛えられているのは、たっぷりのローション。
オトナのセックスには必要ですもんね、ローション! そうして始まったゲスト陣のトークが、過激でないはずがありません。オナニー(ONN)、セックス、前戯についての実体験に基づいたお話から、AV・風俗業界の裏話まで、実に幅広い! しみけんさんの超絶フィンガー&舌テク、琥珀うたさんの潮吹き体質やレズビアンプレイ、水嶋かおりんのお口でコンドームを装着するワザなどなど……。これ以上はmessyをランチ時に読まれる方も多いと考えると、書くのが憚られるレベルのシモなお話が出るわ、出るわ。
性のアレコレを極め、それを生業としている方々のお話なので、このトークを聞いたからといって誰もがそれを実践できるわけではないでしょう。また、実践する必要もないと思います。というのも、私、トークをしているうちに、「性に対してオトナ」とは、自分がセックスに何を求め、その欲求を満たすために何をすればいいかを、ちゃんとわかっている人を指すのではないかと感じ始めたからです。
ゲスト陣のみなさんのように、飽くなき探究心でもって高みを目指し続けるのもひとつ。オーガズムをまだ知らない彼女のために、カップルが二人でコミュニケーションを重ねていくのも、そのひとつ。妄想ワールドを広げに広げ、ONNでより強い快感を得るべく日々精進するのもひとつ。……性との距離感は、人それぞれ。なんなら「セックスに興味がないから、なるべくしない」というのもアリですよね。
人と比べてセックスの頻度が高いとか低いとか、アブノーマルなことしてるからすごいとか、それをしていないから劣っているとかではなく、自分が本当に満足できるラインって、知っているようで知らないもの。それを把握している人こそ、「ひと皮むけた」オトナだと思うんです。
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