――恭子さんと嗜好が一致して、関係が長く続いているグッドルッキングガイもいらっしゃるのですか?
K ええ、けっこういます。7年目のグッドルッキングガイや、3年目、1年目の人もいます。でもその期間、わたくしにとってのメンズはもちろん1人ではないので、皆さんが感じる「長い関係」とは遥かに違うと思いますが。
――唯一無二の配偶者や恋人を「たったひとり」選ぼうとは思いませんか?
K 考えたことは全くないです。なぜ「たったひとり」を選ばなければならないのでしょう。必要性がこれっぽっちも見当たらないからです。もしあるとするならば、わたくしが自分自身を委ねても良いと思えるめまいがするほど莫大な経済力と、無償の愛と、常人では考えられないほどの忍耐力を持つジェントルマンとであれば……契約としての結婚という形式でしょうか。結婚というシステムは、わたくしにとってとても不思議で、本当に愛し合っているのなら、関係性を問うこと自体がナンセンスとわたくしは考えています。愛の形は様々で、お互いしかわからない、見えない何かがあるわけですから、他人がジャッジするものではないと思います。
――とはいえ、パートナーの誰かが「君を独り占めしたい!」とダダをこねることもあるのではないですか?
K たくさんあります。独り占めしたいというのは「どう独り占めしたいのか?」ということになります。肉体的なのか、精神的なのか? わたくしにとっての一番になりたいのか? しかしわたくしとしては「今あなたに会いに来ていること」が大事なのですよ、と言っております。7年目のグッドルッキングガイも、最初の頃は「僕自身がとても耐えられないから、僕は君と会うのをやめる」と打ち明けてきました。わたくしも止めることはいたしませんので「そうですか」と言ったのですが。
――引き止めてさしあげないのですね。
K 止めるということは、それだけの責任があるわけです。ましてや、彼以外にもメンズがいるなかで、わたくしがわたくしであることの自由を失ってまで彼を選ぶという状況にはなりえません。ですから、彼がもう会いたくないと言ったときには、彼に対する最後の誠実という意味でも「そうですか」意外の言葉はないのです。他の異性の存在を隠さないということも、ある意味では誠実を貫き通すということ。もちろん、隠してあげることの思いやりもあると思いますし、それは個々のライフスタイルですとか、ポリシーや感覚の違いですから否定はいたしません。
――ですがその彼は、その後、恭子さんの元に戻り関係を続けることを選んだわけですよね。
K そうですね。最終的に彼は「君が他の誰かと会う時には、僕も立ち会いたい」という提案をしてきました。それに対してわたくしも「あなたが良ければ」という答えを出しました。「それはもちろん、もう1人の相手に聞いてみないとわからないことだけど」とつけくわえてですが。
――第三者のメンズは、どのような反応を?
K 「そんなことはおかしい!」「アブノーマルだ!」という感じでしょうか。性癖というのは趣味趣向のあるものなので、何がアブノーマルかを誰かがジャッジするのはナンセンスだとわたくしは思っております。ですが、そう言った彼はピュアで誠実な人だったのでしょう。ゆえにそれは当然の反応で、後々考えると若干心が痛んだりもいたします。でも、それが耐えられないということは「わたくし自身を耐えられない」と言われているのと同じわけですから、わたくしがしたいこと、していることが嫌な時には、「どうぞ、ご自由に」ということになります。でも、“出戻り”も結構いるのですよ♡
――出戻りガイ!! それも恭子さんは受け入れるんですか?
K もちろんです。わたくしはそれが素晴らしいコミュニケーションだと思いますし、そういう関係はさらに深い愛情と信頼に変わっていくと感じます。わたくしとの関係に耐えられずに会うのをやめても、半年から1年後、「すべて君の好きなようにしてもいいからやっぱり君と会いたいんだ」と、彼は戻って来たわけです。その言葉の意味は、とても深い愛だとわたくしは感じますので。
――出戻りを受け入れる、恭子さんの心の広さにも驚きです!
K まあ、どうしてでしょう? それはわたくしにとって最高のことなのですよ。「成長したのね♡」と思いますし、わたくしの悪いところも含め、ありのままのわたくしを愛するということや、セックスのテクニックを含めて、もっともっとわたくしにとって良い男性になって帰ってくるわけですもの。ですから、わたくしは彼らがわたくしと会っていない時間、どこで何をしていようと、どんな女性とセックスをしていようと、全く興味がないのです。わたくしがその人と一緒にいる時に、わたくしが感じるものがすべてなのです。
――逆に「僕のことをもっと知って!」と訴えるメンズもいるのでは?
K もちろん、よくあることです。会っていない時間に何があったか言われても、わたくしは興味がありませんので「そんなことどうでもいいのよ?」と言っております。すると、彼らはなんとなく涙目になってしまったり……「僕のこと、好きじゃないの?」と聞かれます。「僕たちは恋人でしょう」「僕たちの関係や一緒にいる時間は一体なんなの?」と、相手から関係性の説明を求められた時も、「あなたが感じるままに、感じたことを受け止めればいいと思う」、どのような関係かは「それはあなたが決めること」と言っております。
(インタビュー・谷川明日香/構成・ヒポポ照子)
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