今回の「恋愛コンサル男子」は、担当編集者との談話形式でお送りいたします。というのも、編集者が「男女の顔面偏差値は平等ではない」という問題提起をしてきたのですが、私はその仮説にイマイチ乗れず、かといって一人で考察を深めても埒が明かなかったため、対話によりこの「顔面偏差値不平等」問題の根幹を明らかにしたいと考えたからです。編集者は何の前振りもなく、いきなり私にこう言ってきました。
「武野さん、イケメンじゃない人が、容姿の優れていない女性を「ブス」と罵って、笑いをとることって、世の中的にままありますよね?」
武野(以下、武)石野卓球がTwitterで久保ミツロウに暴言を吐いた件ですか?
「まさにそれのことです。あの話でひっかかるものがあって。千原ジュニアとかブラマヨ吉田とかダウンタウン浜田とか、『お前べつにイケメンじゃねえし、むしろブサイクだよ』って男性芸人が女性をブス扱いするのはごくごくフツーにあるのに、その逆は完全に炎上案件ではないですか。たとえばテレビバラエティで、そこそこ美形な(顔面偏差値60ぐらいの)女性タレントが、千原ジュニアやケンドーコバヤシに対して「顔が無理、ブサイク」と言い放ったりはできないんじゃないかと」
武 たしかに女芸人であっても男性の容姿を「ないわー」と言ったら叩かれそうですよね。モデル出身の女性タレントでもファッション・チェックなんかしだすと「上から目線がムカつく」と叩かれがちですし。
「あれって、顔面偏差値の価値が男女で全然違うからなのかな、と思うんですよ」
武 と、言いますと?
「つまり、男性のほうが女性よりも偏差値のつけられ方が甘いから、普通よりややブサイクな男性でも『普通』扱いされて、ブスと女性を非難しても良いことになってるんじゃないかと。逆に女性が男性を非難しても咎められないケースは、容姿が超完璧か、石油王の嫁レベルに住む世界が違う人、じゃないと許されないんじゃないですかね」
武 いや、視点は面白いですけど、別にイケメンだからって面と向かって他人をブスと罵る権利が付与されるわけじゃないですよね……。佐藤健とか三浦翔平みたいなイケメンでもNGじゃないですか。逆にイケメンが言ってるほうがキツくてナシだと思いますよ。佐藤健に「ブス!」って罵られたい、っていう欲望を抱く女性もいるかもしれないですけども。私は「ブス!」って言って良いのは、ドラマのなかのキムタクぐらいだと思いますよ。言ってそうじゃないですか、柴咲コウとか松たか子とかに。
「そういえば向井理も「ブス」やっちゃいましたね……」
武 逆に、ブサイクな男性の方が堂々と「ブス!」って言っても良い、という風潮があるのでは? いくらヒドいことを言っても「お前もな~」とブーメランが返ってくるわけじゃないですか。相手も痛いけど、自分も痛い、だから良いだろ、的な。罵倒芸・毒舌キャラってそういうものでは。
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