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手のひらの中心(の携帯電話)で、Iを叫ぶ 全国女性ブロガーたちの、とある1日

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Photo by anastasia wilson from Flickr

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 「マイルドヤンキー」や「イオンショッピングモール」が地方の象徴としてとりあげられるようになって久しいが、都市と地方の差異を、ある1日(2014年7月24日)のDECOLOGの都道府県別人気ランキングから読み取ってみようと思う。

 DECOLOGとは、いま10代から20代の女性たちから支持を集めているブログサイトで、ブログ開設数は260万件以上(2011年データ)、ユーザー構成は9割が女性だという。

 通常、どこのブログサイトでも1つの携帯電話で複数のブログが作れたり、フリーのメールアドレスでも作れたりするところ、DECOLOGの場合は基本的に1つの携帯メールアドレスから1個のブログしか作れない。16~24歳くらいの女性が使うサイトとしては、国内最大である。

 携帯キャリアのアドレスからしかアカウントが作れないDECOLOGは(現在は閲覧だけならPCも可能)、SNS的な側面も強い。外観はブログだが、中身にはしっかりした友人登録の機能があり、リアルなソーシャルグラフで成り立っている。ユーザーの多くは、DECOLOG友達同士でより親しくなることと、ランキングで上位になることを魅力と感じているという。

 長文を書くよりもサッと日記形式で書くスタイルが主流であり、ユーザーがかなり実名寄りのハンドルネームを使用する傾向が強く、ブログの人気ランキングに並ぶユーザーはほぼみな顔写真を掲載しているという特徴もある。

 また、運営のルールは女性に甘く、男性には非常に厳しくなっていて、男性のブログは「新着ブログ」やエリアのランキングなどにも掲載されない。これは、 ユーザーが喜ぶことをやってきた結果、自然に出来てきたルールだという。

 こうしたことから、DECOLOGは、日本の若い女性のリアルな関心事などを調査するには非常に有用なデータのうちのひとつであるといえる。

男子禁制の開かれた世界で。

 さて、前置きが少々長くなってしまったが、ある1日(2014年7月24日)のデコログ都道府県別人気ブログランキング、47都道府県の1位から3位まで(合計141個のブログ)を見ていく。尚、これはあくまで私の主観に基づく分類なので、視点に偏りがあるかもしれないことを先に謝っておく。また、ブログ主やブログタイトルの記述は控えるため、具体的に記述できない部分もあるが、これについては、世界発信しているブログとはいえ、プライバシーの侵害になる恐れがあるのでご容赦いただきたい。

 ブログの内容やタイトルは大きく分けて以下の3つに分類できた。

●素敵な私のファッション系

ファッション、仕事(アパレルとナイトワーク中心)、おしゃれで素敵な私の消費生活の発信が中心(141ブログ中の約71%)。

●彼への愛こそすべて系

恋人の写真や名前を出しつつカップル、同棲、結婚生活、出産の実情と恋人(配偶者)への愛情ネタの発信が中心(141ブログ中の約22%)。

●大変な私の病み系

メンヘラ、摂食障害、整形依存症など、病んでいて大変な私の生活の発信が中心(141ブログ中の7%)。

 なお、「彼への愛こそすべて系」は、プロフィール写真や新しいものから10記事以内に恋人(配偶者)の写真を掲載、ブログタイトルや記事に恋人(配偶者)の本名に近いと思われる名前を明記――という基準を設け、それに当てはまるもののみに限定した。つまり、恋人の身体の一部(腕など)だけを写したり、恋人がいることを匂わせているだけ(2人前のランチプレートとドリンクの写メとともに、恋愛エピソードを語る、等)のものは除外する。

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柴田英里

現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

@erishibata

「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」

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