セックス以外のコミュニケーションの充実
――家庭での家事分担についても聞いていいですか? おそらくですけど、ほぼ奥様?
伊「そうだね。俺も言われればやるけど、そんなに多くない。ただ力仕事とか汚いことは、やる。奥さんは虫とかめっちゃ苦手だから、虫が出てきそうな何か、排水溝の掃除とかゴミ関係とか。そういうのはやらされるね」
――ゴミ捨てやるんですか?
伊「ゴミ捨てはやるね」
――ご自宅の間取りも伺っていいですか?
伊「間取りは厳密に言えば3LDKなんだけど、LDKをひとつに繋げちゃってるから、機能的には2LDKだよね。リビングと、寝る部屋と、洋服とか置いてある納戸的な部屋」
――なるほど。寝室では二人でひとつのベッドに寝ます?
伊「そうなるね」
――セックスはしますか?
伊「いや、基本しないね。っていうのは、今はもう子供を作ろうと考えていなくて。少し前までは子作りを考えて病院にも行って、医師の指導するタイミングの日に『子作りしてください』って言われて、義務として月イチでしてた」
――義務感でできます?
伊「それはヤれる」
――それだとセックスそのものを楽しむというより、前戯して挿入してすぐ射精して終わる感じですか?
伊「うん、10分も挿入してない、早く終わらせてた」
――何で10分以内?
伊「疲れるから(笑)。あんなの意識じゃん。早く終わらそうと思えば終わらせられるし。子作り目的なら射精することに意味があるから、長さとか関係ないじゃん。10分なんて疲れてとても無理。でも『この体位は着床しやすい』とかあるから、いろんな体位は試してたよ。重力のこととか考えて『これだと出てきちゃうのかな』とか。でも自然としていてできなかったしお互い40代になったことを節目に、『2人きりの生活でいいよね』となって、子作り自体はもうしないことでお互い納得した」
――子作り目的じゃなくてもセックスはすればいいんじゃないんですか?
伊「どっちも性欲があんまりないんだよね。妊娠のために直接性交渉してただけだから、こうなるとほとんどないよね。ないっていうか実質、タイミング指導でヤって以降はしてないよ」
――どれくらいですか?
伊「この1年に、1回くらいはあったかもしれない」
――どんなタイミングでしたか?
伊「医師の指導じゃなかったんだけども、タイミング的にいいんじゃないかみたいな時があったんで、『今日頑張ってみますか!』みたいな」
――そういう話をしてヤるんですか?『頑張ってみますか!』『おう!』って?
伊「うん。そんな感じになってくるよ、だんだん」
――なるほど。それ以外のスキンシップってどんな感じですか?
伊「一緒に風呂入るとか」
――え! それはあるんですね。
伊「うん。あと寝る時は一緒だよね。だからほぼほぼ一緒にいるんじゃない? リビングにいる時はソファに並んで座ってるわけだし」
――たとえば膝枕とか。
伊「それも時々はあるよ、彼女が俺の膝に頭をのせてくる」
――キスはするんですか?
伊「向こうはチュッチュチュッチュしてくる時はあるけど、自然とすることはないよ」
――結婚して数年間は、セックスの頻度ももっと多かったんですか?
伊「どうだろう。数カ月に1回とかだったかな」
――それはどういうタイミングだったんですか?
伊「それは理由はないよ。単純にムラムラした時だよね」
――伊原さんが?
伊「こっちが。向こうからはそんなにないからな」
――彼女から積極的にセックスに導かれることはない?
伊「10年間のうちに1~2回はあったかもしれない」
――奥様はあまりセックスという行為を好んではいない?
伊「そうだね、嫌がることもないけど、そんな積極的には。あんまそっちで充実感を得るってことがないんじゃないかな。別にセックスしなければ欲求不満ってわけじゃなくて、それよりも一緒にいるとか一緒に飯食うとか一緒に出かけるみたいなほうが、彼女にとっては重要なんだと思う」