昨今は「EXOのサセンペンがひどい!」というウワサで持ちきりである。D.O.やTAO、ベクヒョンなどメンバーは、相ついで不満を漏らしている。彼らいわく、一日中電話がかかってきたり、メールを送ってこられたり、カカオトークにメッセージが届けられたり……とにかく気持ちが休まらないとのこと。さらに、周囲の人間や関係ない人たちにまで迷惑が及ぶという事態が耐えられないそうだ。
アンチの攻撃はさらに恐ろしい…
今年6月には、メンバーのひとりであるセフンが、Instagramを通じてサセンペンに反撃。個人情報が筒抜けにされたり、ある女性が「セフンと付き合っている」とウソの情報を流したことについて、暗に抗議して話題となった。
愛のあまり暴走するサセンペンたち。しかし、アイドルにとってサセンより怖い存在がある。それは、アンチの存在だ。日本では、「あるアイドルが嫌い」=興味がないとか、無関心というのが一般的だが、韓国ではアンチにまわる(積極的に害を与える)という場合も少ない。
このアンチペンが暴走すると、ときに恐ろしい自体にまで発展してしまう。過去にアンチが暴走したケースとしては、東方神起のユンホの飲み物に接着剤を盛った事件がある。もちろん彼は病院に搬送され、後日、飲み物にうかつに口をつけることができなくなったと告白した。捕まった犯人は、「ユンホの実力不足が許せなかった」と釈明。仮にユンホが実力不足なのだとしても、だったら他で死人が出てもおかしくない。まったくとんでもない理由である。
最近では、アンチが面白半分で起こした「キム・ヨシン事件」がある。ニックネーム、キム・ヨシンを名乗る女性が、EXOのメンバーの飲み物に塩酸を盛るという強迫文をネット上に書き込みはじめたのだ。なんでも彼女自身は、高麗大学に通う女性で、東方神起を追いかけていたサセンペンが起こした交通事故で両親を亡くしたため、アイドルを憎んでいると自らを紹介していた。事の大きさからか、テレビ番組「気になるはなし」では、その「キム・ヨシン事件」を独自調査。犯人を見つけ出すことに成功したようだ。結局、予告された日時に何事も起きず、書き手の女性も謝罪して事なきを得た。
愛のあまり執着するサセンペンと、憎しみで攻撃してくるアンチペンに板挟みになるK-POPアイドルたち。華やかな仕事もなかなか命がけである。
■河 鐘基/エンターテイメントから政治まで、韓国の社会問題を広範囲に取材。雑誌やウェブ媒体を中心にライター活動を展開中。K-POPも好きだがAKB48の方が好きという、韓流ライターにあるまじき趣味を持つ。さらに正直に言えば、ローラのほうが好き。
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