……なんて思いきや、うのはやはり“うの”だった。彼女は同コラム内で、なんとワーキングマザーとモンスターペアレンツを一括りにし、全国の働くお母さんを敵に回すような主張を展開。いわく、うのが園長先生に「意見を物申す」という“愚行”を犯したのは、ビジネス気分で人と接するクセがついてしまっていたから。
「仕事をしている生活が身についてしまっていると、子どもの学校でも、つい仕事モードでふるまうお母さんは少なくないと思います。でも、それって、先生や専業主婦のお母さんたちにとっては浮いた存在」
「意に沿わないことを先生に対等に伝えるワーキングマザーが、『面倒なヤツ』と思われて、モンスターペアレンツのレッテルを貼られている場合もあるんじゃないのか」
神田うの流モンスターペアレンツ誕生物語では、ワーキングマザー=モンスターペアレンツ。この乱暴な意見に対してネット上のコメント欄は「ワーキングマザーとか関係ない。その人の人柄と知性の問題」「専業主婦のママのせいで仕事をしてるママがモンスターペアレント扱いされるとか、こんなあほ丸出しの記事載せちゃって」「天才的な煽り文章だな」と、すでに炎上の気配を見せている。
母親が仕事をしていることと、モンペ化することとは全くの別問題だ。生徒の保護者から意見を述べられたからといって「面倒なヤツ」扱いしモンペのレッテルを貼る教師がいたとしたら、それは教師側の方がモンダイだろう。また、うのの考え方では「学校の先生は絶対」「保護者と先生は対等ではない」ということになってしまうが、教師や学校側のやり方が必ずしも正しいわけではないことは自明。
そもそも「ビジネスの場」と「幼稚園」で振る舞いを変えることなんて当然で、ほとんどのワーキングマザーは職場での感覚を育児の場に持ち込んだりはしないだろう。周囲から白い目で見られるほどに自己主張を展開したうのが特殊なだけではなかろうか。つまり、彼女は「ワーキングマザーだからモンペ行動を取った」のではなく、「モンペだからモンペ行動を取った」に過ぎない。
ちなみにコラムを締めくくる文章も、なかなかのインパクトだ。ファッション面でも自己主張の強すぎるうのは、プレスクールでは「地味な装い」を徹底することを決意。
「娘の学校では『目立たない』をモットーに、自分のオーラを消して“地味”を貫くことに」
「超シンプルな紺色のスーツを伊勢丹で買いました。太ーい5cmヒールのパンプスも買いました。最初は抵抗もありましたが、なんだか面白くなってきましたよ。これからも『娘のためならここまで地味になれるんだ』という自分に挑戦していきます」
ここまでくると、もしかしたらこのコラムは炎上を予測したうえで書かれたのではないかと思えてしまうほどである。「ワーキングマザーに喧嘩を売り、地味な服装に身を包む母親たちをバカにしている」「自分のオーラを消して、って何様のつもりなんだか」などの意見がネット上でも飛び交い、まだまだ燃え上がりそうだ。
レギュラー出演中の『ノンストップ!』(フジテレビ系)でもトンチンカンな発言で視聴者の反感を買いがちなうの。彼女に「普通のお母さんの気持ち」や「庶民感覚」を代弁させるのはムリな話で、編集部や番組スタッフもそんなことは望んでいないだろうが、なぜか本人はやけに「普通の良いママ」ぶりたがり、ブログにも高級料亭での会食写真に混じってキャラ弁の写真をUPしたりする。イメージ戦略の齟齬が、珍妙なコメントやコラムにつながってしまうのかもしれない。ただ、筆者は「25ans」のコラムを拝読して、11月号だけでもこんなに面白いのだから、ぜひバックナンバーや次号も読んでみたいと思ってしまった。この時点で、もうすでにビジネスウーマン・神田うのの商法に引っかかっていると言えるのかもしれない。
(エリザベス松本)
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