ちなみにパワーストーンに効果効能を謳うと薬事法に触れるので、「ジェムリンガに効果、効能は全くありません」と、しっかり記されてはいます。では、効果効能がないのに、どんな人が使っているのでしょうか?
“子宮の低温化を懸念されている助産師さんが中心となってユーザーとなり、ジェムリンガの必要性を語っておられます。ユーザーの年齢層は、その隠された興味と必要性を裏付けているように、思春期の中学生から閉経後の方まで極めて広くなってきました”
思春期のお嬢さんは膣に石を入れるより、体のしくみや婦人科系の病気についてお勉強したほうがいいんじゃないのかな……。ここに書いてあることがウソかホントかわかりませんが、お姉さんは激しく心配です。
トンデモ説を堂々と!
そして「子宮が冷える」って。確か女医さんが書いた本(※2)には、「子宮や卵巣は骨盤の中にあります。かなり太い血管が通っている場所で、実は体の中でも一番体温が安定したところにある」と書いてあった記憶があるのですが、どうなんでしょう。コレを助産師が推薦しているって、正直、ウソだと思いたい。
冊子にはさらにこんなことが書いてありました。少し長くなるので要約すると
“昨今女性の体温が低下。サプリや漢方による体温上昇は一時的なもので、根本的には解決しない。そこで登場するのがジェムリンガ! 女性が性的な刺激や感情を受けるとホト(膣)と子宮が活動を始め、子宮の温度が飛躍的に上昇。頻繁なセックスもひとつの方法だけど、感覚があまりにも激しくおおざっぱなのでホト(膣)は拒否反応する”
とのことです。薬効のある漢方は効果がなく、パワーストーンを膣に入れるほうがいいとは、羨ましいくらいの自信です。
性生活が充実していても、癒しを伴わないセックスはダメということでしょうか。もし情緒ゼロのスポーツ的セックスだったら、子宮は冷えるの? 何が何でも心と体が一体にならなくちゃいけない世界も、ストレスが溜まりそう。スピリチュアル界における〈いいセックス〉って、瞑想レベルに難しいのではないでしょうか。あ、「難しく考えないで。体験してみればわかる! ほら、これを使えば……」というお誘いは、遠慮させていただきますね。
ちなみにジェムリンガの構造をざっくり説明すると、水晶が発振することで子宮と膣が反応し、膣が潤い子宮が活性化する……と言いたいようなのですが、コレもまた、理屈としては少々おかしいところがあるようです。その構造の検証や、利用者のエピソードなど、まだまだご紹介したいことは山ほどあるのですが、長くなりますので次回以降改めて。
「私はまたしても、異界の入り口を見た……!」ーー妖怪ハンター(By 諸星大二郎)のモノマネをしながら、今回はひとまずここらへんで。
【参考文献】
※1『ジェムリンガ -初めてのあなたに読んで欲しい本―』須佐厳
※2『女のカラダ、悩みの9割は眉唾』宋 美玄 (講談社+α新書)
(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)
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