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今いちばん気になる文化系イケメンこじらせ青年、グザヴィエ・ドラン

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『トム・アット・ザ・ファーム』公式HPより

『トム・アット・ザ・ファーム』   グザヴィエ・ドラン監督

 ちょっとネットで検索してみればすぐにわかると思うんだけど、グザヴィエ・ドランというカナダ出身監督は、めちゃくちゃイケメン。

 1989年生まれ現在25歳という若さ、それでいて今までの監督作品4作はすべて様々な映画祭で高く評価されており、最新作の『Mommy』では、第67回カンヌ国際映画祭で、あのジャン=リュック・ゴダール監督と共に審査員賞を受賞。映画界のスーパーシンデレラボーイとして、世界的に注目されている人物なのだ。

 監督本人が同性愛者であることをカミングアウトしている、という事実は、さほど話題の中心になるようなスキャンダルでもないだろう。しかし、彼の監督作の主人公はほとんどが同性愛者という設定なうえ、デビュー作や今作では監督が主演俳優も兼ねており、本人と映画の登場人物が重なって見えることも多い。

 19歳で撮ったという初監督作『マイ・マザー』(09年)は、タイトル通り、母親の存在について語っている。まったく自分のことを理解しようとしない抑圧的な母親と、それに反抗する十代の若者の日常を描いているのだけれど、それってよく考えると、ほとんどの人間が思春期に経験する類いのものであって、特にゲイだからノンケだからと言って大きな差はなさそうに思う。

 監督としての評価を決定的にした、ロマンチックなラブストーリーである『わたしはロランス』(12年)も、同性愛者でありながらひとりの女性を愛し続け、でもふたりは思うように結ばれることはない――という、複雑な話のようで、「生涯で最愛の人と悲恋に終わってしまう」ストーリー自体は結構ありふれた話だったりする。

 それに対し最新作の『トム・アット・ザ・ファーム』は、監督初の、他人の戯曲を元に書かれた脚本で、主人公はやっぱり監督が演じるゲイの若者ではあるけれど、他の作品に比べだいぶ個人的な物語としての印象は薄く、内容的にも、一般的なサスペンスものとして、わかりやすいものになっている。

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gojo

1979年生まれ大阪出身、立教大学社会学部社会学科卒。2005年より自身のサイト「gojo」にて映画日記を執筆、2010年には蓮實重彦、黒沢清『東京から 現代アメリカ映画談議』(青土社)の出版記念トークイベントにてインタビュアーをつとめた。「森﨑東党宣言!」(インスクリプト)に寄稿。gojogojo.comで映画日記を更新中。

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