男ウケを狙うなら結局「コスプレ」が鉄板?
続く「夏の恋服、その名も“あんかけトップス”、きてるんです!」という記事も文字通りかなりキテいます。「肩から落ちそうなゆるシルエットや、とろんとした肌触りのよい生地のトップスをCanCamでは“あんかけトップス”と命名」(まずその命名センスが謎)、「今回の企画を作るにあたり、『あんかけトップスってどう?』と、様々なタイプの男の子たちに事前調査を行ったところ」(来た! 曖昧な調査対象!!)、「大大大人気だった」とのこと。
はあ……?
いわく、あんかけトップスの「適度な肌見せ」が男子を惹き付け、逆に、肌見せが過ぎると「なんか遊んでそう」と批判の嵐だとか。最後は「男の子の求めるセクシーの中には、必ず“品”が必要なんです」というアドバイスで締める。
セクシーの中にある「品」ってなんだろう……?
誌面にのってる「Tシャツの胸元にサングラスをひっかけてる写真」、これは確かにセクシーだし、すれ違いにそんな女性を見かけたらまず、ガン見するでしょう(あくまで私なら)。でも、これって品があるセクシーなの? そして、そのセクシーさの吸引力とは、そもそも「男はあんかけトップスが好き」ではなく「男はおっぱいが好き」ということなのでは……。セクシーな巨乳女性が、中国の四書五経を読みこなし、『孫子』の兵法から恋愛術を学んでたら、すごく品がありそうな気もしないでもありませんが、まずそんな方は滅多にいません。
素朴な疑問ですが、読者の女性たちは、この「仮想男子目線」をマジに受け取ってないですよね? もし1%でも愚直に「仮想男子目線」を信じて報われない努力に励む女性読者がいるとしたら、職場で「勘違いのイタい女」として受け止められていそうで気の毒です。そこで実在社会人男性の一人としての目線で「どんなファッションが男からウケるのか」を提案させていただきましょう。
これは端的に言って「コスプレ」一択です。間違いない。とはいえ、カツラやカラコンまで装着してアニメキャラになりきるようなコスではなく、一般社会に溶け込む“普通のコスチューム”です。そう、戦場がオフィスであるならば洋服の青山で売ってるようなスーツがあれば用は足りるでしょう。「今日のあの子、秘書コスプレのAVみたいだったよなあ……(ぽわわん ※恋落ちの効果音)」。恋落ちを目的としたポイントを稼ぐのには、こうしたコスチューム戦略が有効なのです。この例で言えば、普段ユルいカジュアル服の女性が、いきなりフォーマルなスーツ姿で登場するギャップも効果的だと言えましょう。とはいえ、これも「ただし、かわいい子に限る」というまた身も蓋もない条件付きになってしまいますが……。
今月号は「天使と悪魔の『白SEX』と『黒SEX』BOOK」という特集もありまして、5組のカップルが登場。週に何回セックスしてるとか、彼氏のセックスは何点とか、野外でやることも多いよとか、僕たちコンドームはつけない派で~すとか、そんな話をぶっちゃけています。女性100名に聞いた好きな体位や潮吹きの有無などのアンケート、逆に男子100名のセックス事情アンケートも掲載。ここにも「女の子は気づいていないけどその仕草、無邪気にエロだよ」という謎仮想男子目線があります。これを実践して、むやみにパンチラしたりブラチラしたり唇を舐めたりするイタい女子が急増したらどう責任取るんですか、CanCamは!
■カエターノ・武野・コインブラ /80年代生まれ。福島県出身。日本のインターネット黎明期より日記サイト・ブログを運営し、とくに有名になることなく、現職(営業系)。本業では、自社商品の販売促進や販売データ分析に従事している。
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