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では、松たか子はいつ妊娠すればよかったのか?

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松たか子

変わらんね~!これ2001年のCDよ!/松たか子「コイシイヒト」ポリドール

 11月27日、松たか子(37)が妊娠中であることを公表した。現在は妊娠6カ月で、来春に出産予定だという。結婚から7年を経て授かった第一子に、松は「夫婦は深いよろこびでいっぱい」と、公式サイト掲載の直筆メッセージで綴っている。

 しかしこのおめでたニュースに水を差す残念な週刊誌報道があった。「週刊ポスト」12月12日号掲載の「松たか子妊娠『最大の稼ぎ時に大きな損失』と関係者肩落とす」という記事だ。

 同誌では、今年大ヒットしたディズニー映画『アナと雪の女王』の主題歌「Let It Go~ありのままで~」の劇中歌唱が高く評価された松にとって、今は絶好の商機だったとしたうえで、放送関係者が「肩を落としている」と伝えている。

「今こそ松さんは国民的スターになれる存在なのに、これでしばらくはハードな仕事は無理。我々としても大きな損失だし、本人も人生最大の稼ぎ時を逃すことになるのではないか」(引用)

 とのことだ。当該記事は、次のように締めくくられている。

その本人は「仕事に関しましては、できる限りベストを尽くします」とも語ったが、当分は「産休」と考えるのが妥当だろう。それでも、ありのままの理由を公表できて、すっきりしているのかもしれない。(引用)

 つまりこの記事では、「仕事での責任感が増しているこの時期に、妊娠という個人的理由で仕事量をセーブするのは松個人のワガママ」と読めてしまう。案の定、この記事がポータルニュースサイトに公式転載されてから、Twitterを筆頭にして非難の声が上がり、「そりゃ少子化するわけだ」と諦めムードも充満している。

「仕事>家庭」の社会で妊娠は「無責任」

 松たか子は現在37歳で、高齢妊娠・出産にあたる。「今」でないなら、いつならば良かったのか? 女優の場合は「映画やドラマの撮影スケジュールを空白にし、誰にも迷惑をかけない状態」での妊娠・出産と、「数年は育児に専念」が望ましいとされている。しかし実際には、そうスケジュール通りに妊娠できるものではない。「スケジュールを空けたので、では子作りしましょう!」と夫婦意気込んですぐ妊娠に至るとでもいうのだろうか。

 これは何も、放送界や芸能界に限ったことではなく、日本社会全体に蔓延る悪しき思い込みだ。家庭を犠牲にしてでも仕事を優先するのが「デキる男」で、仕事よりも夫と子供を優先するのが「デキる女」という価値観は、いまだ埋没しない。

 たとえばこんな事例がある。正社員として企業に中途入社したある女性(28)が、1年めで妊娠発覚。これを機に希望しない部署の移動あるいは退職を迫られてしまう。「まだろくに仕事も覚えられてないのに、妊娠するなんて無責任」「一人前に仕事できるようになってから休め」という非難の目。彼女は(今はキャリアを優先させたい)と産まなかった。その後5年在籍して仕事上の権限が増え、プロジェクトリーダーに就任した矢先に、再び妊娠がわかる。すると今度は「この大事な時期に避妊しないなんて」と、またも非難され、降格をちらつかされる……。さらには「いきなり戦力外になるから、女性は管理職にできない」と嘆く上層部。

 もちろん、「産休と育休を取得し、育休明けは子供を保育園に預けたうえで職場復帰して以前と同様に働き、文句を言われることもなく17時に退社出来ている」という女性もいるだろう。それが当たり前になれば、いや、男性も父親になった時点でワーキングマザーならぬワーキングファザーなのだから、男女の区別なく上記のような働き方が可能な社会ならばやがて少子化は改善傾向を見せるかもしれない。いずれにしろ企業単位の努力や意識改革でどうこうなるものではなく、法整備によって状況を変えることが先決だと思うのだが、今の政府にとってそんなことは些末な問題でしかなさそうだ。

 仕事をなによりも最優先するのが当たり前で、そこに疑問の余地すら持たない価値観を「職場の上の世代」が持っていたら、“生物学的に子作りに適している”とされる年代の社員たちは非常に働きづらい。それでいて女性は、出産しなければ「ちゃんと産め」、妊娠したなら「迷惑だ」と言われる。もしこのまま【個人の事情は、仕事よりもプライオリティが低い】との社会全体の認識が改まることなければ、出生率上昇など到底見込めない。女性ばかりが「産まなきゃ!」と焦っても、社会の認識が変わらない限り絶対に少子化は改善しない。
(ヒポポ照子)

ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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