先日、北海道・札幌で開かれた「FISジャンプワールドカップ」のスペシャルキャスターとして、現地リポーターを務めた安藤美姫(27)に、またしても非難が集中している。女子は11日、男子は25日に大会が行われテレビ放送もされたが、「スキージャンプ競技について全くの勉強不足」「滑舌が悪すぎて聞き取れない」との酷評のみならず、「安藤美姫を起用する意味がわからない」と、彼女をキャスティングした側へも批判は飛び火している。
具体的には、選手へのインタビュー中に「なんか~」を連発していることの見苦しさや、ことあるごとに「フィギアでは~」「フィギアなら~」とフィギュアスケートに置き換えて発言する点を「見解が雑すぎる」「スキー選手にそんな話する必要がない」と指摘されている。
安藤がやたらとバッシング対象になってしまうのは、どんな番組やイベントに出ても、「主役」の顔をしてしまうからだろう。たとえそれが場違いでも気付かない鈍感さがある。今回のスキージャンプリポーターでも、主役は競技にエントリーしている選手たちなのに、安藤は脇に寄ってうまく立ち回ることができないのだ。フィギュアスケート競技の頂点を目指して、銀盤で輝こうと必死に頑張ってきた人なのだから、「脇に引く」技術を知らないのも無理からぬこと。これからスポーツキャスターやリポーターの仕事に精を出していくとしたら、会得しなければならないだろうが、あくまでも「これから」で良い話である。
ただもうひとつ、安藤の難点がある。それは、「主役」ゆえに周囲のお膳立てを待ってしまうところではないだろうか。スキージャンプという競技および出場選手たちに関する知識を何も仕入れずに本番に臨み、勉強不足でろくなインタビューが出来ないまま仕事を終える。それでは何も彼女の中に残らないし、オファーもいずれ途絶える。
安藤はひとつのスポーツを極めたアスリートであり、天賦の才能だけでない努力の人でもあったはず。「次の進路」を歩むと決めたのならば、姿勢次第で新しい場所でも活躍できるだろう。誹謗中傷を受け過ぎて「美姫は美姫だもん!」と意固地になっているように見受けられる部分もあるが、腐らずに頑張って欲しい。