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「育児に熱心な男は出世しない」発言の大炎上に見る男性の本音

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Photo by SoCal Mark from Flickr

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 先般、「SAPIO」2月号(小学館)に掲載された漫画家・弘兼憲史氏(67)のコラムが、webサイトに転載されたことで拡散され大炎上となっている。

『島耕作』作者・弘兼憲史氏「育児に熱心な男は出世しない」

 web版は紙版の抜粋となっているためこの内容が全てではないわけだが、弘兼氏は昨今の「イクメン風潮」に苦言を呈する立場をとり、以下の発言をしている。

「現実には、仕事のできる人間というのは家庭では必ずしも好かれていないし、逆に家庭的で幸せなパパというのは会社ではそんなに出世しない、という構図があります」
「たとえば僕が上司の立場だとして、急遽、重要な案件が発生して緊急会議になるから残ってくれ、と部下に頼んだとします。その返答が『すみません、今日は子供の誕生日なので帰らせてください』だったとしたら、僕はその部下を仕事から外しますね」
「『運動会に来い』というのは、実は母親の自己満足ですよ。『よそのお父さんみんな来ているのになんであんた来ないの?』という」

 仕事よりも育児を優先する男性社員はけしからん、という批判が中心にある内容で、「イクメンは会社では疎まれる」と弘兼氏は考えているようだ。

子育ては究極の選択の繰り返し

 コラム内に登場する「イクメンが仕事より家庭を優先するシーン」は、「子供の誕生日」や「運動会」であり、緊急度はさほど高くはない。しかも前もって日時が決められた行事であるため、仕事のスケジュール管理を自分でできる職種・立場の社員ならばうまいことやりくりできるものだろう。それでも、誕生日当日に突発的に緊急の対応を迫られる仕事が入ったとしたら……(まぁ……重要な案件での緊急会議と言われたら……)と、母親である筆者も正直、どっちを取るか悩むところだ。ただ、自分のミスによる“緊急会議”であれば尻拭いに奔走するとしても、同僚の起こした問題によるものだったり、自分が参加する必然性が薄ければ代打を頼む。社内だけでの会議であれば一旦帰宅してスカイプで参加することだって可能なはずだ。これは状況によって対処法が異なってくる問題であり、一概に「重要な会議なんだから、子供の誕生日なんかすっぽかして会社に残れ!!」と強制できる話ではない。また、どんなに仕事が切羽詰った状態だったとしても、「子供が学校で事故に遭った」という知らせだったり、「高熱が出たので迎えに来てほしい」という要請だったら、迷わず迎えに行く。ともあれ、子育ては究極の選択(二択に限らない)の繰り返しなので、判断力は鍛えられる。

 ネット上での意見は大多数がこの弘兼氏の言説への反発だ。

「まぁ少子化対策なんか無理難題やなこりゃ」
「仕事のためなら女房子供も泣かすみたいな、自己犠牲に基づいたサムライ精神なんかそろそろ捨てましょうよ」
「女が『育児好きではない/子供つくらない』と主張すると『身勝手な女が増えた!』ってドヤ顔されるのに、男がそれを主張するのはアリなのかよ」
「女だけの問題にしとけば万事解決だと思ってたことが、やっぱり男女共通の問題でしたって明らかになってきただけだよね」

 などなどの、厳しい意見が並ぶ。ただ、一方で弘兼氏に賛同する声もあり、一部の“会社人”にとっては、これは「言いにくい本音」であるだのだろう。「家のことは妻に任せたいんだけど……」という安定収入夫と、「稼ぐのは全面的に夫の仕事」という専業主婦妻の組み合わせなら、ベストマッチングと言えるのかもしれないが、そうでない場合は……?

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ブログウォッチャー京子

1970年代生まれのライター。2年前に男児を出産。日課はインスタウォッチ。子供を寝かしつけながらうっかり自分も寝落ちしてしまうため、いつも明け方に目覚めて原稿を書いています。

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