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一人歩きする“毒親”が不安を煽る? 「イライラするな」ってムリでは…

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Photo by Russ Robinson from Flickr

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 「毒親」という概念が広まりつつあるそうです。恥ずかしながら私、担当の編集者に教えられるまで「どくおや」という読み方すら覚束なかったんですが、広義では「子供に悪影響を与える親」に使う言葉だそうです。金銭的にたかったり、犯罪をおかして迷惑をかけたり、虐待したりといった親はもちろんですけれども、高圧的で自分中心の価値観を押し通し、子供の人格や意志を否定し、成長してからも子供を苦しめるタイプも「毒親」に含まれるんだとか。

 家庭内では暴君なのに外ヅラは滅法良く、家庭の外では「良いお父さん/お母さん」と羨望のまなざしで見られる親もいるので、毒親か否かは当事者である「その親の子供」しか判定できず、その子にとっては周囲に理解されないという苦しみも。また、成長してから「縁を切りたい」と親への憎悪を周囲に打ち明けたとしても、「親も一生懸命だったんだよ」「親をそんなふうに悪く言うもんじゃない」「親不孝者!」とアサッテの方向からボールを投げられさらに苦痛が増大。NHK『あさイチ』で“重たすぎる母親”をテーマに扱った時も、そんなお叱りFAXが大量に届いたとかなんとか……。

 私自身の親は「毒」感がなかったため、最初はいまひとつピンとこなかったのですが、身近なところで置き換えてみたら、高圧的で、自分中心で……って、恋人にそうやって振る舞う男は思い当たります。「ホントになんの価値もない女だな!」、「生きていてもしょうがないよ、お前は!」とか女性を徹底的に罵って、おいおい、それは明らかに暴力だろうが、という感じなんですが、本人は「いや、なんか教育してやってるっつーか」とか悪気もなくのたまう輩。そのくせ、なんでもないようなことでキレちゃって、大荒れしちゃうような。ある種の毒親は、こういう男の親バージョンだと思って良いかもしれません。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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