ヤリたい放題のまんこ
自分のまんこを型にとりデコ電のようにデコレーションする「デコまん」を編み出したわたし。ふざけてTwitterにUPしていたら、メンズサイゾーのライターさんの目にとまり、インタビューを受けました。その記事が載ってすぐに某掲示板でスレが立ち、まとめサイトでも「まんこのアート」というバカなことをやっているヘンな女として「これは酷いwww」「クソワロタwww」などと祭りあげていただきました。
今までわたしのブログは日に20件アクセスがあればいい方でしたが、その期間は1万件ほどのアクセスが続きました。考えてみると、自分のまんこでアートを作った女はわたしが初めてだったのです。誰もやったことがないし、やりたくもないから、ライバルも現れません。逆に言えば、ヤリたい放題!
わたしは調子にのって、ラジコンを改造してまんこと組み合わせ、リモコンで走るまんこを作ったり、クリトリス部分が光るライトなど作りました。
次第に目的が、「まんこでどれだけバカができるか」に徹底してゆきました。
まんこアートで一発屋
しばらくすると「まんこアートを展示しませんか?」と声がかかり、秋葉原のエログッズ屋さん・エムズデパートで展示してもらい、そのことが週刊誌に取り上げられました。今まで本業の漫画では泣かず飛ばずでしたが、まんこアートの方で名が知られるようになりました。その勢いで、銀座の画廊のオーナーに声をかけられ「デコまん展」を催したり、単行本も出すことができました。
実はその頃、わたしは結婚していて、夫にこの活動のことは明かしていませんでした。ペンネームが世に出ても、せいぜい一部のアダルト雑誌のみとタカをくくっていたのです。夫はネットをあまり見ないし、取材時は伊達メガネで変装していたつもりだったので、しばらくはバレないだろうと甘く考えていました。そもそも、まんこの整形もひた隠しにしていました。
でも、だんだんまんこアート作りが楽しくなってきて、部屋でこそこそ作るのもしんどくなり、思いきって真実を打ち明けようと思っていた矢先、知らぬ間にTwitterをやりはじめていた夫にバレてしまいました。
夫いわく
「友達なら笑えるけど、自分の嫁がまんこのアート作っているのは無理」
とのこと。まぁ、確かにそーだよね……と思いましたが、自分が楽しいことを家族に応援してもらえないことが、ショックでした……。
それだけが原因じゃありませんが、私たちは離婚することになりました。
嫌われ者のまんこ
離婚をしても、「まんこで注目されてるからなんとかなるだろう♪」と、どこまでも能天気なわたし。しかし、あれほどとりあげてくれたメディアも、1回載ったら声をかけられなくなりました。まんこアートの写真集の話がきても、営業の段階で「まんこはやっぱりちょっと……」とボツになります。
その時やっと、「まんこ」は公の場では絶対に使われないこと、つまり、まんこに関わる限り、まともな仕事がこないことに気付き、ガクゼンとしました。
サイバラ先生も、某ケーブルTV番組内で「まんこ」と言ったら降板させられました。とにかく「まんこ」はダメなのです。
男の人はまんこを見たがるくせに、まんこを汚いものと軽蔑します。女の人は、まんこを持っているのに、やっぱりまんこを汚いと思っていて、普段は無視して考えないようにしています。帝王切開でもない限り、たいていの人間はその汚いとされるまんこから産まれてくるのに、なんでだろう……??
疑問は不満に変わってゆきました。
まんこアートを作っているだけで、セックスが大好きな女だろうと思い込んで近寄ってくる人、逆にわたしをバカにする人が多いことにも、うんざりしました。
わたしはだんだん、楽しさより、怒りや不満の方が強くなってゆきました。
イケてない毎日
わたしの怒りに比例するように、マスコミからはどんどん声をかけられなくなりました。まんこを下卑た目でみないでよ! と怒っても、はたからすれば頭のおかしい女です。最初はまんこアートを好意的にとらえてくれたメディアの人たちも、引き潮のように引いてゆきます。
せっかく単行本が出ても、出版社の営業の人には全然宣伝してもらえません。仕事もないので、食っていけません。ヒマだからTwitterでまんこ差別について愚痴をこぼすと、怖い人と思われたり、ネトウヨっぽい人に絡まれます。全然イケてない毎日です。
離婚もしたのにお金がないので出てゆけず、元夫の家に居候状態が続きました。もはや漫画の仕事はなく、漫画以外に取り柄のないわたしは、かろうじてラブピースクラブという女性向けアダルトグッズ販売ショップに雇ってもらい、バイト代で生活をしのぐ日々でした。
貧乏だし、彼氏もいないし、元夫には早く出て行けとなじられるし、何度か死のうと思いました。でも、いざ死ぬことを考えると怖くて自殺もできないヘタレ。
仮に自殺したら「まんこアートなんか作ってるからだ」とバカにされるのが目に見えるので、それもなんだかくやしい。へんなプライドだけ高くて厄介です。
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