番組は、観客のいるスタジオでホスト役のDREAMS COME TRUE・中村正人(56)とゲストの工藤静香が、VTRを見ながら進行していく。冒頭では、工藤がスタッフと外ロケした映像が流れた。待ち合わせ場所は工藤がよくうろうろしているという東京・代官山。基本的にサングラスもマスクも帽子もナシで、変装せずに街を闊歩しているという工藤に、スタジオではエエーッと驚きの声が上がる。当然、通行人には気付かれ、写真の“背景”として工藤の姿を撮られたりすることもあるそうだが、あえてレンズを向けてくる人はさすがにいないようだ。代官山という土地柄、そんな無粋なことをしたら恥ずかしい、と意識がはたらくのだろうか。
結婚・出産を機に、楽曲のリリースペースを落とし、テレビ出演も減らした工藤は、たまにメディア露出するたびに「劣化」「妖怪みたい」と容姿の変化を叩かれてきた。だが今回のVTRやスタジオ映像を見る限り、20代の頃と比べてそうたいして老けてはいないようだった。もちろん目尻に浮かぶ複数のシワや、唇の血色の悪さ、指のシワなどは年齢相応。つけまつげが過剰で垂れ目を強調しすぎなのがやや気になるが、サーフィン好きの日焼け肌なのにシミやたるみは目立たず、頬やおでこはピンとハリがあるので、それなりにケアをしているのだろう。
さて、VTRでは、代官山散策をしてから工藤馴染のサンドウィッチ専門店でランチ。店内に入る時に発した挨拶が「こにゃにゃちわ~」だったのが衝撃的だった。かねてより手芸やら手作りパンやらハンドメイド好きアピールを小出しにしてきた工藤だが、ここでも「買うと保存料とか余計なものが入っちゃうからなんでも手作り」「(添加物は)必要なときもあっていいんですけど、毎日食べるものだし。子供も育ちざかりだし」とブレずに話していた。
その後、「(自宅撮影については)大丈夫かな~ちょっと相談してみます」と含みを持たせる工藤。相談って誰に? 事務所に? 家族に? ジャニーズ事務所に? そして後日、番組宛てに工藤が自ら撮影した動画が送られてきたというのだが、内容は「(1)工藤が絵を描くアトリエ」「(2)工藤が運営する通販ショップ」「(3)工藤が料理する自宅キッチン」の3本。視聴者が最も気になるのは当然、(3)なわけだが、焦らす焦らす。(2)なんて、完全に宣伝なわけだが。ちなみに販売しているのはオーガニック食品やオリジナルアクセサリーなどだそう。
工藤のスタジオライブを挟み、番組ラストでようやく公開された(3)は、時間にしてものの50秒程度の映像、しかも調理中のフライパンと鍋の中のズームオンリーで、キッチン全体像もダイニングのインテリアもわからなかった。視聴者が一番知りたい「ナゾの私生活」、木村拓哉の住む家はやはり明かされなかった。
ただ。フライパンで調理されていたのは、ミートソース。木村拓哉が「好物」と公言してはばからない、世界のどこに行っても食べるほど愛しているというミートソースであった。あえてこのメニューを選ぶ工藤静香。最後の最後で木村の匂いをふんわり感じさせる工藤静香。さすが全盛期のキムタクと結婚した女だ、と思わせる工藤静香なのであった。
(犬咲マコト)
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