故・やしきたかじん(享年64)と、その妻であるさくら夫人(33)の純愛の日々を人気作家・百田尚樹氏が綴ったノンフィクション『殉愛』(幻冬舎)。発売直後からその内容は物議を醸し、さくら夫人の過去、夫人とたかじん家族との確執、たかじんが残した莫大な財産の行方などが大きく取り沙汰されて連日メディアを賑わせた。
その騒動には未だ決着がつかず、2月23日、たかじんとさくら夫人について書かれた新たなる一冊が発売された。『百田尚樹「殉愛」の真実』(宝島社)と題されたその本は、『殉愛』の内容に反論したいわゆる告発本である。この本で注目したいのはなんといってもそれを記した布陣であろう。角岡伸彦、西岡研介、家鋪渡、宝島「殉愛騒動」取材班の共著。角岡氏、西岡氏は過去に講談社ノンフィクション賞を受賞した作家である。そして三番目に名を連ねている家鋪渡氏は、たかじんの実弟なのである。いわばノンフィクションのプロ中のプロが執筆したこの本、Amazon紹介文の最後には「百田さん、これが本当のノンフィクションやで」と書かれ、真っ向から百田氏に挑戦状をたたきつけた形なのである。
この『百田尚樹「殉愛」の真実』には、『殉愛』での百田氏のずさんな取材や事実誤認を指摘し、さらにはさくら夫人の過去について、そして夫人サイドについていると思われる関西テレビ界への取材内容などが書かれているようである。発売から日が経っていないにも関わらず、売上はAmazonベストセラー1位で、24日時点でのAmazonでのカスタマーレビューは174件も。うち169件はおすすめ度に星五つをつけている。「その取材力に感動した」「本当のノンフィクションとはこういう本を言うのだろう」との感想が多いようだ。
24日発売の「女性自身」(光文社)は、この告発本の中でももっともセンセーショナルかつデリケートな部分であると思われる、さくら夫人の多重人格疑惑について取り上げている。記事によると告発本の取材に応じたのはさくら夫人の2番目の夫であるアメリカ人のD氏。結婚と離婚を繰り返してきたさくら夫人だが、最初の夫は日本人男性、2番目の夫がこのアメリカ人D氏、そして3番目の夫が“重婚疑惑”が持ち上がったイタリア人男性で、たかじんは4番目だといわれている。
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