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女子会でうつになる? 女子カースト脱出のすすめ

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JJ

『JJ』2013年8月号/光文社

 飲み屋やレストランで食事をする際、つい気になってしまうのが同じお店で開かれている女子会の存在です。同席している人との会話もそこそこに、意識の半分は違うテーブルの女子会での会話の内容に向かっていることもしばしば。「なんかー、浮いた話ないの~?」と女性の高圧的な声が耳に入れば、きっとその声の主がその女子会のリーダー的存在なのだろう、と想像が膨らみますし、そこで遠慮がちに「え~!? ないですよぉ」と控えめな声が聞こえたら、リーダーに気を使ってる後輩女子なのだろうか、と思います。

 女子会トークを盗み聞き、そこでの人間関係を勝手に妄想するのは、下世話ですが、なかなか楽しいことです。たった4人の女子会でも、女の子たちの間に明白な序列関係があるのがわかったりしますから。ただ、「立場が下にいるコはこんな女子会に来ていて楽しいのかな?」と不思議に思う気持ちもあるのですが……。

 ところで最近では、そうした人間関係における地位の違い・力関係の差を、ヒンドゥー教の身分制度「カースト」になぞらえて「○○カースト」と呼ぶことがあるようです。なかでもメディアで取り上げられることが多いのは学校でのクラスメイトがそれぞれランク付けされ、その序列のなかで学校生活が送られていく「スクールカースト」。これは米倉涼子さん(37歳)が女子高生の制服に身を包む映像がビザール過ぎることが話題だった連続ドラマ『35歳の高校生』(日本テレビ系)の題材にもなりました。

  読者の皆様も、ちょっと高校時代を振り返って、自分はどのランクにいたか、あるいはあのビッチな友達は、どのランクにいたか考えてみましょう。髪の毛を派手に染め上げて、メイクもバッチリ、休み時間に「なんか〜、ダルいよね〜」と教室内に大きな声を響かす女子が、あるいは、顔はイマイチだけど、サッカー部に所属していてムードメーカー的存在であった男子が、いつもクラスの中心じゃありませんでしたか? 「スクールカースト」という言葉がなかった時代でも、彼らはがスクールカーストの上位者たちだったのです。

サエない女子大生の憂うつ

 さて『JJ 8月号』(光文社)では、「『女子大生カースト』という世界。」という特集で、スクールカーストの延長線上にある“女子大生の生活”におけるさまざまなカーストが紹介されています。女子会、合コン、サークル、さらにはSNSにまでカーストがあるというのには驚きですし、これ男が読んだら、「女ってさ~、怖いよね~」、「女ってめんどくさいよね~」とITベンチャー企業勤務の男性(趣味:ウィンドサーフィン)あたりが上から目線で言ってきそうな感じですね。

 たとえば女子会のカーストでは、最上位に「社会人カレやイケメンのカレがいる、モテて恋バナのネタが豊富なコ」が鎮座。次は「付き合いの長いカレがいるコ、イケメンじゃなくても優しいカレがいるコ」、その下には「恋バナのネタは豊富だけど、男のコに大切にされていないコ」(つまりはヤリマン扱いされてるコか?)、最下位に「なんの恋バナもなく、モテないコ」がくる。恋愛がすべてか?

 下位カーストの女子大生からの声がまたエグい。なかでも「女子会をしていないと不安になる。だから自分からみんなを誘ってしまう……」という声には、不安神経症かうつ病か? という闇を感じます。本気で言ってるんでしょうか? 彼女たちが住む世界において、女友達との関係を保つことは死活問題なんですね。

  下位カースト女子いわく、

・自分が女子会に行けなくなっても中止にはならないが、リーダー的なコが来られないとすぐ予定が変更になる

・「みんなで行こうね!」と言っていたカフェに自分以外のみんなが行っていたこと(をFacebookで知ってショック)

・デートよりも女子会優先

 ……と、彼女が雑に扱われていることは明らか。にもかかわらず、女子会を「絶対」のものとして疑っていません。読んでいて心配になってきます。こんなふうに心の弱ったコは、「この夏は広告研究会の仲間と海の家のバイトでもすっかな~」と決めているチャラい男子に、飲み会で「うん……わかるわ~」と適当に相づちを打たれただけで「なんでワタシ、この人にだけは悩みを素直に打ち明けられちゃうんだろ?」とファジーな気持ちになり、3杯目のカクテルが飲み終わったあたりでお持ち帰りされてしまうのでは。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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