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産みたいけれど産めない現実とは?『私、いつまで産めますか?』

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『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』WAVE出版

『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』WAVE出版

 歌手の倖田來未が「早く赤ちゃんを産まないと羊水が腐る」とラジオ番組で発言し、活動自粛するほどのバッシングに遭ってから数年後、「卵子は老化する」との事実がNHKの番組で大きく取り上げられました。卵子は年齢とともに加齢し、妊娠も難しくなるのです。

 医学的に、女性が最も子供を産みやすい年齢は25~34歳。35歳以上が高齢出産とされています。日本人女性の平均初産年齢はおよそ31歳。しかし、多くの女性芸能人が30代後半~40代での妊娠・出産を経験しており、それが大々的にネットニュースで報じられることから、「実はアラフォーでも全然大丈夫なんでしょ?」とタカをくくってしまいがちではないですか?

 高齢出産を果たした女性芸能人の名を列挙してみましょう。

~30代~
●辺見えみり 36歳で第一子出産
●宮沢りえ 36歳で第一子出産
●PUFFY吉村由美 36歳で第一子出産
●西尾由佳理 37歳で第一子出産
●山田花子 37歳で第一子出産
●伊藤裕子 37歳で第一子出産
●戸田菜穂 37歳で第一子出産、40歳で第二子出産
●長谷川理恵 38歳で第一子出産
●梨花 38歳で第一子出産
●江角マキコ 38歳で第一子出産、42歳で第二子出産
●羽田惠理香 39歳で第一子出産
●永作博美 39歳で第一子出産、42歳で第二子出産
●中澤裕子 39歳で第一子出産、現在41歳で第二子妊娠中

~40代~
●北陽・伊藤さおり 40歳で第一子出産
●北陽 虻川美穂子 40歳で第一子出産
●オセロ・松嶋尚美 40歳で第一子出産、41歳で第二子出産
●相田翔子 41歳で第一子出産
●古内東子 42歳で第一子出産
●長山洋子 42歳で第一子出産
●松本志のぶ 42歳で第一子出産
●田中美佐子 43歳で第一子出産
●加藤貴子 44歳で第一子出産
●林真理子 44歳で第一子出産

 なるほど、確かに大勢います。しかし「だから、私も大丈夫」とは決して言えませんよね。人間はひとりひとり、別の遺伝子を持つ、別個の生き物。全員まったく同じようにコトが運ぶなどあり得ません。

産めない社会

 3月14日、卵子凍結保存を行う民間会社「リプロセルフバンク」の所長であり、生殖工学博士の香川則子さんが、書籍『私、いつまで産めますか?卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存』(WAVE出版)を上梓しました。卵子老化についての断片的な事実が世間に広まり、「産みたいのに……」と焦る女性が増えている今、そんな女性たちが得ておくべき情報がぎっしり詰まった良著です。

「私たちが産めないのは私たちのせいですか?」
「仕事を続けながら妊娠、出産できますか?」
「結婚しないと、産んじゃダメですか?」
「40代でも生理があれば妊娠できますよね?」
「不妊治療って何をするのでしょうか?」

 ここにあるような素朴な疑問を、30歳以上の「いつか産みたいけれど、まだ産んでいない女性」や、不妊治療に取り組んでいる女性たちは胸に抱いています。「早く産みたいのに、条件が整わなくていまは産めない」女性はたくさんいるのです。著者はこれを“社会性不妊”と考えます。

 整わない条件……たとえば、パートナーの有無や仕事の区切り。女性としては、20代後半~30代前半でお付き合いしている男性がいれば、「子供を産める適齢期」という言葉が頭をかすめ、否応なしに結婚を意識するでしょう。でも同じタイミングで男性が結婚を意識しなかったり、結婚に前向きでなかったり、あるいは「あと数年待って」と言われたりすれば、女性は出産のタイミングを逸します。また、妊娠すれば離職を余儀なくされる職場はいまだ非常に多く、「産みたいけれども、産めない」女性のジレンマがあります。

 日本の会社には「若いうちは修業期」とするような風土が根強く、若いうちに子供を産みにくい社会が形成されています。生殖可能年齢には限りがあり、それを考慮に入れたキャリア設計を「女性が一人で」立てても、社会はその計画を認めず、許さない現実があります。子供を産めない背景には、社会制度や労働環境の不備などがあるわけです。

 少子化は女性だけの責任ではないことは、誰の目にも明らかです。もちろん、女性に生まれたからといって国のために子供を産まなければいけないという謂われはないけれど、「産みたいのに産めない」と悩み苦しむ女性およびカップルに、一筋の光をもたらすもの。それが卵子凍結保存です。ただ、著者は安易にその方法を勧めはしません。どんな医療行為にも、「絶対安全」「絶対安心」「確実に産める」といった保証はないのです。

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ヒポポ照子

東京で働くお母さんのひとり。大きなカバを見るのが好きです。

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