カルチャー

肌を重ねて心をほどく~セックスの持つ魔法のような効能を思い出す春のTL

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 寒さが戻ってくる日もありますが、もう気分は春! 早くお花見したい、春物着てお出かけした~い! と浮かれ気分になる一方で、出会いと別れの季節だからでしょうか。なんとなくセンチメンタルな気持ちにもなる日もあります。おもしろいことにオカズ選びにもそういう気分が出るようで、ここ最近私がコミックシーモアで選んでいたのは、Hシーンがてんこ盛りのエロエロ系作品ではなく、男女の機微や女の子の内面を描いたものでした。

相愛ハレム

『相愛ハレム』

『相愛ハレム』

 ひとつめは、『相愛ハレム』。大っきな瞳に華奢な手足のTHE 少女漫画テイストな女の子たちが登場する短編集ですが、彼女らはひとりひとり心に屈託を抱えています。名門お嬢様校に通うJKはすぐに〈優等生〉という枠でくくられることに反発を感じていますし、若きシングルマザーは子どもとの生活が第一で、もう恋愛とは一生無縁なんだと決めつけているし、仕事に燃える女の子は「男に負けたくない!」と常に肩ひじ張って生きています。

 どの子もまじめで一生懸命。読んでいるうちに親近感がどんどん募っていくのですが、それもそのはず。身近な友だちにもそういう屈託を抱えて恋がうまくいかない子はいっぱいいるし、自分自身にも彼女らと似た不器用な一面はあります。男性から気持ちを寄せられても素直になれなかったり、用心深くなるあまり「騙されているんじゃないか」と思ったり……。

 だけどそんな屈託が、セックスをすることでふわーっと解消されていく様子が、とってもステキなんです! 裸と裸になって肌を重ねて、体液を交換しあうセックスって、その人を丸ごと肯定する行為でもありますよね。抱きしめられてぬくもりを感じるだけで、「自分を受け入れてもらっている」と感じます。物語の女の子たちは、そうしてセックスしているうちに心のなかに引っかかっていたものが溶け、凝り固まっていた気持ちがほぐれ、自然に笑顔になれるのです。あ~、セックスってそんな魔法のような効能があったなぁと、原点に帰ったような気持ちになりました。

 でも、そんなふうに気持ちがすっきりするセックスって、別にソフトなものとはかぎらないですよね。お互いを受け入れあい、ハードに身体と身体をぶつけ合って、快感で頭が真っ白になる……そんなセックスも解脱感があっていいものです。それだけで非日常感があり、悩んでいた自分がちっぽけに思えてきます。これは単純にウラヤマシイですね! セックスは集中力。相手の身体と自分の快感に集中した後って、スポーツをした後のような爽快感が心に満ちていきます。

束縛彼氏~いやらしい要求~

『束縛彼氏~いやらしい要求~』

『束縛彼氏~いやらしい要求~』

 『束縛彼氏~いやらしい要求~』も、同じく女性のデリケートな内面が描かれた短編が2作品収録されています。

 「かわいいひと。」のヒロインは、「NO」をいわないOLさん。年下の彼はちょっと強引で、ベッドのうえでちょっと無茶な要求をしてくることもしばしばですが、彼女はぜーんぶ受け入れます。そんな従順な彼女にいっそう苛立ちを募らせる彼……。

 幼なじみからセフレになった男の子への、すなおになれない気持ちを描いた「だから、きみがいい」は、ほんっと焦れったいですね。小さいころから知っている同士のセックスというのはそれだけでエロティックですが、身体はぶつけあっているのに、気持ちに蓋をしているから、ふたりともなんとも煮え切らない。

 それがどちらのストーリーも、その気持ちの蓋を外した瞬間に、ひと皮むけたセックスをするのです! これまで受け身だった人がほんとうの自分の姿をさらして攻めに転じる姿というのは、つくづくエロティックだと感じながら、指でページを進めました。これまで攻めていたほうが、あれよあれよという間に相手のペースに巻き込まれて、素の部分を見せていくのも、隙だらけの色っぽさがありますね。

 ガチンコなセックスは気持ちいいけど、心を昇華できるセックスはさらに上を行く気持ちよさ。そんな上質なセックスができたら、身も心もリスタートできそう! 読み終わった後には、春のセンチメンタル気分もすっかり吹き飛んでいたのでした。

『相愛ハレム』
『束縛彼氏~いやらしい要求~』

■桃子/オトナのオモチャ約150種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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