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国民的アイドルSMAPが笑福亭鶴瓶に憧れるワケ

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笑福亭鶴瓶

(「SWITCH vol.27 2009年7月号」スイッチパブリッシング)

 1994年10月の放送開始から昨年の12月まで放送された音楽番組、『HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)。ダウンタウンがMCを担当し、デビュー直後の駆け出し新人から大物海外アーティストまで多種多様なアーティストたちの意外な一面を引き出すトークや、体を張ったチャレンジ企画などで人気を博した番組だった。

 レギュラー放送時の終わり頃には番組当初の斬新な企画がなくなり、旬のアーティストはちっとも出演せず、懐メロ紹介番組と化してしまっていた。それでも、番組が最終回を迎えた時は感慨深い気持ちになったものだ。そうして惜しまれながら18年の歴史に幕を下ろした『HEY!HEY!HEY!』が、半年ちょっとしか経ってないのに早くもスペシャル番組として復活を果たした。

 だいぶ早すぎる復活に「あら? もう帰ってきたの?」とやや拍子抜けしてしまったが、オープニング映像で「奇跡の復活を遂げる!!」と喧伝するテロップ&絶叫ナレーションが相当テンション高めだったので、スタッフの気合いを感じて、すんなり番組復活を受け入れることにした。

ほぼ「スマスマ」

 というわけで、7月1日に放送された『HEY!HEY!HEY!電撃復活2013 総勢97名のアーティストが集結!ダウンタウンがやらなきゃ誰がやる!SP』(って番組名が長すぎるっ!)。懐メロ構成の時期とは一転して、新旧バラエティに富んだ豪華ゲストが出演していた。デビュー曲をひっさげて初登場した歌手としては新人の剛力彩芽から、数々のお騒がせトラブルにより芸能界引退の危機まで追いやられたが表舞台に復帰した華原朋美(ダウンタウンとはお久しぶりの再会である)まで、にぎやかに番組復活を盛り上げた。

 中でも、最もトークコーナーに時間を割いたのが、SMAPであった。むしろ「これってSMAPの特番だったかしら?」「(このあと22時から放送される)スマスマとの合体スペシャル?」と疑うくらいの時間配分で、ダウンタウン×SMAPのスペシャルトークショーが繰り広げられていた。

 番組冒頭から早くもSMAP登場!『HEY!HEY!HEY!』ならではの、やけにド派手なトークセットにずらりと並んだダウンタウンとSMAP。今回はスペシャル企画ということもあって「本音で話したいことを真剣にトークする」というルールが設けられていたので、どこまで本音トークが聞けるか、ファンならずとも興味津々だ。彼らの座るソファの背後頭上にはいくつものスクリーンが配置されていて、その画面にはダウンタウンとSMAPメンバーから事前に回収したというさまざまな“質問”が表示されていた。

 最初に松ちゃんこと松本人志がそのスクリーン表示から選んだ質問は、「羨ましいと思う有名人は?」であった。なんだかシンプル過ぎる質問を選んだものだと拍子抜けしたが、もう十分スターである彼らは一体どんな人を羨ましいと思うのか?

 その質問を出した中居くんは、「好きな人とはちょっと違うし、尊敬でもないけれど……」と質問に解説を加えながら、自らが羨ましいと思う有名人は“笑福亭鶴瓶”であることを告白した。丸メガネに、切り込みのような限りなく細い目でニンマリ微笑む、あの“べー師匠”だ。中居くんとは『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)でのダブルMCでもお馴染みのコンビである。

 この回答に「はっ! オレと一緒や!」とあたふたしたのは松ちゃん。「オレも(鶴瓶の名を)言おうと思ってた!」とまさかのかぶり回答に動揺しまくっていた。中居くんと松ちゃんって気が合うんだな~。13年前に共演した異色ドラマ『伝説の教師』(日本テレビ系)でも明らかにアドリブだろうという会話シーンがあって、今週はどこで二人の息の合ったアドリブが飛び出すだろうかとワクワクしたものだ。

 中居くんが「あの人すごくないですか?」と言えば、「生まれ変わったら(鶴瓶に)なりたいくらい」と返す松ちゃん。「なりたいんだけど、絶対になれない!」と力説する中居くん。「この世界(芸能界)にいるとみんなピラミッドの頂上目指すけど、あの人(鶴瓶)はスフィンクスみたいなもん」と絶妙かつ的確に分析する松ちゃん。どんだけ崇められてるんですか~。確かに、そびえ立つピラミッドのそばで、われ関せずって感じでのんびり寝そべっていそうなイメージかも~。実際、福の神みたいな顔してるから、王の守護神としてピッタリだったりして。

蛭子さん・所ジョージ・鶴瓶が「うらやま3トップ」

 「(鶴瓶は)芸能界を一番楽しんでいるんじゃないか」という点でも二人の意見は一致。さすが、プライベートでも親交があるという二人だけに、考え方も近い部分があるのだろうか。何気に二人ともマジメで常日頃すごい深いところまで考えていそうだから、鶴瓶さんのような飄々として思いのままに過ごしているような自由人が羨ましいのかもしれない。

 この二人の話を受けて、草なぎつよポンが答えた羨ましいと思う有名人は“蛭子能収”だった。鶴瓶師匠と自由さが同じ系統の人選で、適当に選んだんじゃないかとみんなから失笑され、総ツッコミを入れられていた。その勢いで稲垣ゴローちゃんは、ほんとのところは羨ましい人などはいないけれど、「話の流れから『いいな』と思って」回答したのが“所ジョージ”であった。「趣味とか楽しそうにしている」というポイントに好感を持っているそうだ。髪のくせ毛直しにあれだけ必死にこだわり、ナルシスト感満載のゴローちゃんからだいぶ真逆なイメージだな。

 結局、国民的アイドルに羨ましがられるのは高倉健さんのようなダンディズム溢れる渋い俳優でも、タモリさんのように毎日お昼にお茶の間を楽しませてくれる大物司会者でもなく、ゆるキャラのような佇まいで自由に芸能界で楽しそうにしているオジさんたちだった。

 まぁ、タモリさんもテレビでよくはしゃいでいる姿を見かけるが、ランニングしたり体調管理をしっかりとやっていたりストイックな面も見えるからな~。その点、「笑福亭鶴瓶・所ジョージ・蛭子能収」の御三方は自然体でほんとに自由人に見える。

 鶴瓶に関してはトーク番組の『A-Studio』(TBS系)ではゲストの関係者に取材に行って、そのままその一般人の人々と仲良くなって友達になったりして、友達力がハンパなかったりもする。人と壁を作りがちだという中居くんにとって、そんな部分も眩しく映るんだろう。

 見た目は決してイケメンではないし、フジテレビの真夏の風物詩『27時間テレビ』では、酔っ払ってパンツ一丁で現れて暴れたりするけれど、そんな放送コードギリギリの粗相(※実際、生放送中に股間をモロ出しにして某局で出禁をくらった経験もアリ)すらも、鶴瓶さんの楽しいキャラを知っているから嫌な感じが不思議としない。人徳だな~。松ちゃんと中居クンは、鶴瓶師匠のようなキャラには決してなれないけれど、なれないと自覚しているからこそ、憧れてやまないのかもしれない。
(復活視聴・文=テレ川ビノ子)

テレ川ビノ子

テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!

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