3月20日に政府は少子化社会対策大綱を閣議決定しました(リンクは内閣府のサイト)。このなかで強く打ち出されているのは、男性の育児参加の推進です。
厚生労働省が中心となって「イクメン」という恥ずかしい言葉を広めはじめて久しいですが、引き続き、少子化対策のために男性もちゃんと子育てに関わっておくれよ、という指針が出されております。
この裏には当然、労働力として女性の力を活用するためには、男性がんばれ的な思惑もあるわけですが、今回は新たに「2020年までに男性の配偶者の出産直後の休暇取得率 = 80%を目指す」という数値目標が立てられています。これはいまだ2%程度にとどまっている「男性の育児休業取得率」とは別な目標値です。
これを受けて、新聞各紙は「男性産休取得80%目標」との見出しで報じました。しかしこれはフェイクです。労働基準法に定められた「産休」(産前産後休業)の男性取得率が80%だとしたらすごい厳しい目標に見えるんですが、「出産直後の休暇」を政府は「配偶者の出産後2か月以内に半日又は1日以上の休み(年次有給休暇、配偶者出産時等に係る特別休暇、育児休業等)」と定めています。
この定義なら、クリアできそうな気もしますし、2015年現在でもちょっとアンケート調査すれば80%は余裕で超えるように思いますね。どんなに仕事が忙しくても、自分の子供が生まれたらお役所にいって手続きとかしなきゃだし、1日ぐらい休みますよねえ。現状の数値が出ていないんですが、この目標だったらもうクリアしてるんじゃないの? 「子育てを目的とした企業独自の休暇制度の創設の促進などを通じて、男性が出産直後から育児や家事を行うことを促す」という意図があるようですが、目的に対して目標のハードル感が低すぎませんか?