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4人に1人がマタハラ被害 根底に社会全体の働き方を変える必要性

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Photo by  Teza Harinaivo Ramiandrisoa from Flickr

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 30日、妊娠・出産した女性に対する職場での嫌がらせ「マタニティ・ハラスメント」の被害にあった女性への支援活動を行っている「マタニティハラスメント対策ネットワーク(通称:マタハラNet)」代表の小酒部(おさかべ)さやかさんが、マタハラの実態を調査したアンケートをまとめた「マタハラ白書」を発表した

 小酒部さんは、アメリカの国務省から「勇気ある女性賞」を受賞し話題となったばかり。「勇気ある女性賞」は、2007年に創設された、個人的なリスクを省みず、優れた勇気と指導力を持って、人権や平等の獲得、社会問題に取り組んできた世界の女性たちに敬意を捧げる賞だ。今年の受賞者は、アフガニスタンで女性初の空軍パイロットとなったNiloofar Rahmaniさんや中央アフリカで子供の保護活動を行ってきたBeatrice Epayeさんなど、国も活動内容も様々。小酒部さんは日本人として初めての受賞となる。

 マタハラNetの設立者である小酒部さんもマタハラの被害者だ。契約社員として働いていた会社の上司から、長時間労働や事実上の退職を迫られるなどのストレスで流産を二度経験する。同じようにマタハラに苦しむ女性を助けたいと思い「マタハラNet」を設立したという。

男性だけでなく女性の無理解も

 マタハラの実態については、日本労働組合総連合会が2013年と2014年に、働く女性を対象にした「マタニティハラスメントに関する意識調査」を行っている。それによると「マタハラ」という言葉を知っている女性は62.3%で、昨年20.5%から40%以上増加。2014年には、2014年新語・流行語大賞の候補50語に「マタハラ」が選出されている。ただし、「マタハラ」の意味を実際に理解している女性は35.3%と3割程度。これも昨年の6.1%に比べれば随分と上昇しているが、まだまだ問題の実態は浸透していないことが窺い知れる。

 実際に被害にあった女性は26.3%(妊娠経験者のみ回答)、周囲に被害者のいる女性は27.3%(全員回答)で、およそ3割の女性がなんらかの形でマタハラに遭遇している。マタハラの原因として、「男性社員の妊娠出産への理解不足・協力不足」「フォローする社員への評価制度や人員増員などケア不足」があげられているが、興味深いのは少なくない割合で「女性社員の妊娠・出産への理解不足・協力不足」を回答している女性がいるということだ。

 冒頭で取り上げた「マタハラ白書」でも、マタハラを受けた相手に「直属の男性上司」をあげる被害女性が53%と最も多い一方で、同僚が加害者になる場合、男性よりも女性が多いという調査結果がでているようだ。おそらく妊娠を経験したことのない女性との意識差や、育児がひと段落ついてから復職した経験のある女性が「妊娠しながら働く」ことに抵抗を覚えている、といった要因が考えられる。男性社員はもちろん、女性社員への理解促進も必要となるのだろう。

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