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家事労働の再分配問題。夫はどうして家事をやらなくなってしまうのか?

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Photo by Josh Davis from Flickr

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 私の家は共働き(子供なし)で、妻も私もそれぞれ全然違う職場で働いています。たまに妻から職場の女子会の話なんかを聞くんですが、話題は職場の愚痴であったり、ダンナさん・彼氏の悪口大会だったりするみたいです。私もなにを言われているかわからなくて身の縮む思いをしますけれど、妻曰く「武野さんのダンナさんは良いよねえ」と言われることが度々ある、とのこと。根が素直な人間なので、褒められると嬉しくなり「ありがとう、妻の職場の女性たち!」と思います。

 妻の職場の女性たちにとって「夫としての私」が高ポイントなのは、家事をやるとき、言われたことをちゃんと学習してやってくれることだそうです。会社員になると「言われたことをやっているだけじゃダメだ! 言われないこともやってこそ一人前だ!」みたいな説教を受けることがありますが、言われたことができるだけで夫ポイントが高くなるなら、夫ってイージー・モードじゃん、って思います。

 我が家の具体例をあげると、洗濯したタオルの畳み方。独身時代はいい加減に収納ケースのタオルコーナーにぐしゃぐしゃ突っ込んでるだけでしたが、結婚を期に畳んでしまうようになりました。でも、それでは妻が納得していませんでした。ある日「いっつもタオル裏返しに畳むよね」と指摘されたのですね。私は、それまでタオルの裏表を意識したことがなかったので「えっ?」と思いました。詳しく話を聞くと、タオルはタグがついているほうが裏であり、畳んだ時には表面に表がでていないとダメだと言います。そうなんだ、タオルに裏表があるんだ……と感心しながら、それから意識して畳むようにしています(でも、今もたまに間違えている)。

妻に指摘を受ける夫の気持ち

 こういう風に素直に言われたことができるダンナさんって少ないんですって。だから「武野さんのダンナさんは良い」ということになるらしい。

 でも、私だって素直に言われたことに納得しているわけでもないんですよね。「えっ? タオルに裏表あるの? で、裏が表に来てると使用になにか弊害あるわけ?」と、うっすら思いました。でも、裏表を間違えて私が畳んだタオルを見つけた妻が、また畳み直しているのを見ると「う……また間違えていたか……」と心が苦しくなるのです。自分がやっている家事で、妻のやることを増やしている罪悪感と、言われたことができてない自責感。自分がやった家事をやり直されるこの重い気持ち、もしかしたら男性特有のものなのかもしれませんが、会社に置き換えて、自分が仕上げたモノを先輩社員が全部やり直してたから、かなり精神的に来ますよね……それと同じです。

 そこにはもちろん「気になるなら、最初から自分でやれば良いのに」という気持ちが混じってもいます。「タオルがいつも裏返し」と指摘された時点で「そんなん言うなら自分でやれや!」とキレてしまう人がいてもおかしくない、とも思うんですよ。育児や家事問題に関する本を読むと、そういう指摘によって男性が育児や家事に対する意欲を失ってしまうケースは紹介されています。「妻から夫への家事ハラ」を話題にする風潮が昨年少し流行ったりもしましたね。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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