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「この会社、変かも?」新入社員が知っておきたい労働法。

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Photo by cesar bojorquez from Flickr

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 新年度が始まっておよそ2週間、新社会人の皆さんは徐々に新しい生活に慣れ始めてきた頃だと思います。その一方で、「あれ、なんかおかしい?」と、就職先の労働内容や環境に疑問を持ち始めるのもこの時期では? そうした疑問に答えてくれるガイドブックが今月8日に厚生労働省から発表されました。

これってあり?~まんが 知って役立つ労働法Q&A~

 長時間労働を強いるなど労働法を守らない企業を指す「ブラック企業」。2013年には新語・流行語大賞にトップテン入りもしていますし、最近では新たに「ブラックバイト」なる造語が提唱され、アルバイトの「ブラックさ」も徐々に共有されてきているようです。

 この「ブラック企業」という言葉、もともとは暴力団と繋がりを持つなどの違法行為を行う会社を「ブラック会社」と呼んでいたものが新解釈として広まったものなんですね。2chのスレが話題となり、書籍化、さらには映画化された『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(新潮社)の書き込みが始まったのは2007年ですから、新解釈自体はそれ以前からある程度流通していたものと考えられます。それから2013年まで、徐々に「ブラック企業」という言葉が広まっていた背景には、多くの人が同様の問題意識を持つようになったことがあるのではないでしょうか。

 そういえば、学生時代のアルバイトをよくよく振り返ってみると、退勤のタイムカードを押した後に店内の掃除を行わされるなど、「労働法を守ってないよね?」と思い当たることは少なくありません。とはいえ、些細なことといったら些細なことですし、労働法のことはよくわからないし、指摘したら店との関係が悪くなってアルバイトを辞めざるを得なくなるかもしれないし……と黙っていた人も多くいるでしょう。学生の場合はほとんどがお小遣い稼ぎですから、それほど真剣に争うようなことでもなかったのかもしれません。

 しかし、社会人となるとまた別です。口に出しにくさはさらに深刻になってしまいます。就職した会社のお給料で生きていかなくてはいけませんから、会社の違法行為を指摘したことでクビになったらたまったものではない。そもそもそうした理由でクビにすること事態が違法です。あるいはクビにならなくても、社内の人間関係が悪くなったり、昇給や昇進に響いたら、やはり人生に大きなダメージが加わってしまいます。だからこそ口に出せない。誰も口に出さないから、会社も調子に乗る。労働時間が延びて、違法な指示が増え、身体を壊して……。

 こうした「ブラック企業」が存在していることは知っている。でも、労働法のことはよくわからないし、どうやって勉強すればいいのかわからない。せめて最低限のことだけでも知っておきたい! そんな人にはぜひ今回発表された「これってあり?~まんが 知って役立つ労働法Q&A~」を参考にしていただきたいです。

 まるで政府の広報みたいな記事になってしまっていますが(笑)、このガイドブックはとても参考になりました。「働き始める前に知っておきたいこと」「働くときのルール」「仕事を辞めさせられるとき、辞めるとき」と3つの章立てで、それぞれ、一方的な内定取り消しや最低賃金以下の時給、サービス残業、有給の取り方、妊娠を理由にした解雇など、具体的な事例をマンガでわかりやりやすく説明してくれています。

 就職した会社がブラック企業だった場合の参考はもちろんですが、就職する前、就職活動をする前の学生には特にオススメです。あるいはアルバイトを始めようとしている大学生にも目を通して欲しいガイドブックでした。ちなみに厚生労働省が5年前の2010年9月に出した「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」をあわせて読むと、世の中の「労働」がどういうものかがざっと見通せると思いますよ。そして新生活で疲労を感じているみなさん、とにかく「きちんと寝る」ことが大事です。健康第一と思って、充分な睡眠をとってください!
(門田ゲッツ)

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