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朝食でパンを食べても人間の脳と体は狂わない。アヤシイ言説を丸呑みしない原則

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Photo by jeffreyw from Flickr

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 先日、楽しくネットサーフィンしていたところ、「朝食でパンを食べると人間の脳と体が狂う」というトンデモ臭がぷんぷんする記事がバズっているのを見つけました。

朝食でパンを食べることが、人間の脳と体を完全に狂わせる。

 すでに多くの方が突っ込みまくっているのですが、あまりに突っ込みどころが満載すぎて、どうしたものかと悩むところです。

 まず整理をしておくと、この記事は「パン」をdisっているのではなく、「小麦」をdisっているものです。しかもただの「小麦」ではなく、日本が小麦の多くを輸入しているアメリカの、遺伝子が組み換えられた「“本当”に“天然”の小麦」とは明らかに異なる小麦とのこと、だそうです。“本当”や“天然”が一体何を指すのかもわかりませんが、とにかくこの記事は「遺伝子組み換え小麦」をdisっているわけですね。そのうえで、できるだけバズるよう、小麦製品の代表として「パン」を選んだのでしょう。「朝食でラーメンを食べることが、人間の脳と体を完全に狂わせる」は微妙なタイトルですし。

 さて数多の突っ込みどころを飛ばして、特に気をつけたいのが、この部分です。

「乳ガンはもともと欧米に多い病気ですが、ここ最近では日本でも乳ガン患者が急激に増えており、料理評論家の幕内秀夫さんによれば、乳ガンの患者さんで、朝にパンを食べている方の割合は、40歳以上で7割、20代、30代では8割に上ると言われています。」

 これだけ見ると、もしかしたら「(小麦を使っている)パンを朝に食べると、乳ガンになる確率が増える!」と不安に思ってしまうかもしれません。でも、「パン食=乳ガン」なんて言えませんよね。

 まず、料理評論家のいう「乳ガンの患者さん」たちが、毎朝パンを食べている人なのか、ときどき朝にパンを食べる人なのかわからない。さらに、パンを朝食べていない人で乳ガンを罹患した人がどのくらいいるのかがわからなければ、パンと乳ガンの関係がわからない。そもそも、医療技術の進歩で乳ガンの発見率が上がり、「乳ガン患者が急激に増えている」可能性だってありますよね。また、国際的に乳ガン患者は増えているという指摘もありますから、日本に限った話ではありません。

 ちなみに、この記事にはこんな記述もありました(以下、要約)。『パンは食べるな!』の著者・ウィリアム博士が小麦に疑問を持ったきっかけだそうです。

「大学から大量の食券をもらったので、カフェテリアで朝食としてホットケーキ、ベーグル、パンなどを食べていた。しかしどれだけ睡眠をとっても、コーヒーを飲んでも、私の体は常に疲れていた。大学を辞めてからは気分がかなりよくなった」

 博士が疲れていたのは、朝食に小麦製品を食べていたせいなのでしょうか。

・もしホットケーキ、ベーグル、パンばかり食べていたのなら栄養が偏りすぎていたのでは?
・食生活と異なる部分に問題があったのかもしれない
・大学でのストレスが大きかったために、退学後に体調が回復したのかもしれない

 ……このように、小麦が原因かどうかをこの文章だけでは確かめられません。その後、ウィリアム博士は小麦ではなく、野菜やナッツ、肉、卵、オリーブ、アボカド、チーズといった「本物の食品」でお腹を満たすようになることで、健康になりよく眠れるようになった、そうです。小麦に含まれているでんぷんや植物性たんぱく質は他の食品で補っていたんでしょうね。カフェテリアでがっつかざるを得ない貧乏学生を脱し、様々な食品をバランスよく摂取すれば、健康になるのも頷けます。

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