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復刊『小悪魔ageha』および「ちいめろ叩き」と、鈴木奈々や藤田ニコルに見るギャルの優等生化

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(C)柴田英里

(C)柴田英里

 4月18日、1約年ぶりに『小悪魔ageha』(ダナリーデラックス)が復刊しました。

 昨年5月の株式会社インフォレスト倒産から、『小悪魔ageha』が休刊していた約1年間は愛読者としてはなんとも寂しい1年間であったので、早速購入しました。

 読後の感想としては、面白かったものの、優等生の習作感が否めませんでした。元小悪魔agehaのカリスマ編集長にして産みの親である中條寿子さんが読者代表として発表した「読書感想文」の、「復刊号は特に読みたい企画がなくて、もちろん全部読みましたが、企画内容が私たちの知りたいことじゃありませんでした」「おやすみしていた1年間の間に、私たちのアイメイクもベースメイクも髪色もヘアアレンジも、傾向は少しずつですが変わってきています。そこをもっと掘り下げたページにして、私たちにわかりやすく解説して頂けたら、私たちが求める私たちの参考書になりました」という意見がすべてを表しているというか。

 読みやすくて読ませる記事が多くあるものの、新規性に欠ける。同時に、近年の相次ぐギャル雑誌の休刊廃刊やギャル文化の衰退化(が起こっているように見える)現象を踏まえた上での『小悪魔ageha』休刊中の歴史の編纂は、社会学や博物学的見地からも非常に重要であると思うので、期待していた分、巻頭のageモたちの1年間をさくっと紹介して終わってしまうページにはこじんまりした印象をうけました。

新聞的な配置が特徴

 とはいえ、『小悪魔ageha』がいかに読みやすい雑誌であるのかも、久しぶりに目を通したことで気付くことができました。

 それは、名物であった独創的なキャッチコピーと、それを新聞の見出しのようにわかりやすく見せるレイアウトが健在だということです。『小悪魔ageha』が誌面の情報量やボリュームに比べて非常にすっきりと読めるのは、こうした「新聞的」な文字の読みやすさにあるように思います。

 そしてその読みやすさは、「age嬢24人が真剣解答!「多数派or少数派どっち派!?」という企画の、「彼氏にするならどっちのガキ大将?ブタゴリラvsジャイアン」や「足の人差し指が親指よりも長いか短いか?」などという、すごくどうでもよい内容までわかりやすく伝えることができています(「どっちの系統がタイプ?ジャニーズ系vsエグザイル系」という質問で、意見がきれいに半々だったことなどは、ギャル界の勉強に少しなったように思います)。

 そこが、ある種姉妹誌的立ち位置でもある『LARME』との大きな差異で、文字が背景にとけ込むように淡い色で小さく印刷されることも多い『LARME』は、文字が誌面の雰囲気を壊さないように配慮されている「絵本的」な作りです。

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柴田英里

現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

@erishibata

「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」

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