連載

引き寄せの法則、陰謀論…妊活女性への「子宝セラピー」が超展開すぎた!

【この記事のキーワード】
SpiYakou18

赤ちゃんに会いたい一途な想いを翻弄するセラピーなのか!? Photo by Adam Hirons from Flickr

 「不妊の真実のメッセンジャー。スピリチュアル子宝セラピー」――HPに書かれているこの文字を見ただけで、「お、おう……」と口ごもりそうになりました。ある日ネットで見つけた、妊娠の秘訣を教えてくれるという〈子宝セラピー〉。子宝カウンセラー&セラピストって何? 〈スピリチュアル〉とあるけれど、そこでは何が語られるの!? まったく想像がつかないだけに、興味が間欠泉のように噴出!

 しかしいくら先方が商売でやっているとはいえ、冷やかしで受けるのは失礼ですよねえ……。そこでせめてもと、不妊治療歴1年の友人Rさん(36歳)に「こんなセラピーがあるみたいなんだけど」とふってみると、「何かヒントがあるなら、行ってみてもいいかな」とありがたい反応。早速〈30分コース〉を受けてもらうことに。いやはや、心の広い友人を持ったものです。

 さっそく予約を入れると、セラピーの場所に指定されたのはパワーストーンやタロットカードなど、スピリチュアルグッズが山のように陳列されたファンシーな店内の一画。席に着くと、まずは不妊治療歴やパートナーの精子運動率などの具体的なデータをヒアリングされることから始まります。その雑談の中でRさんがまだ結果の出ていない不妊治療や高齢出産への不安を口にすると、セラピストから「高齢だから妊娠しにくいというのは、思い込みなんです!」と早くも強烈なパンチ。

セラピスト(以下、セ)「Rさんはまだ30代ですよね? (高齢で不妊などの)そういう情報はマインドコントロールと一緒で、病院にいかないと妊娠できないと思い込んでしまっているんです。本当は〈卵子老化〉も立証されているものではないそうですよ……。だって卵巣を見ることなんてできないでしょ? ほんのちょっとのデータで、そういうことを言っているんです」

医療否定はこの種のセラピーの定石

 あわわ。あれほど世に影響を与えたNHKスペシャル『産みたいのに 産めない~卵子老化の衝撃~』(2012年)や、世界の生殖補助医療研究は、一体なんだと言うのでしょう。Rさんの戸惑っている様子も、ビシバシ伝わってきます。何だか悪いことをしたようで、スミマセン。

Rさん(以下、R)「でも現実問題、加齢と比例して着床率は確実に下がりますし、高齢になるほど染色体異常の確率や流産率が上がるのは事実ですよねえ……」

「高齢出産で問題のない赤ちゃんも、たくさんいますよ。何でも高齢に結びつけて報道することで、不妊クリニックばっかりが潤うシステムなんです。Facebookなどには、(卵子老化は立証されていないなどの)真実の情報がた~まにあがってきますよ。そういった真実の情報は、医者や製薬会社にとって都合が悪いから、すぐにクロージングされちゃうんですけどね

 セラピー開始5分で、〈医者不要論〉キター!? 医療界にケチをつけたいとき、〈製薬会社、医療界、厚生労働省がタッグを組んで圧力をかけ、彼らだけおいしい汁をすすってますよ~〉という、陰謀論を唱えるのはトンデモ言論の定石でありますが、まさかこんな場所でも登場するとは。最近では、近藤誠医師の〈子宮頸がんワクチンのバッシング〉が、典型例ですよね。ごく少数とはいえこういったお説を素直に信じ、治療の機会を奪われる人がいることを想像すると、悶々とした気持ちになってきます。

「そういった思い込みや、生理が来るたびにがっかりした気分になっていると、体が硬直してしまいます。不妊治療にしても〈自分はやるだけのことをやった〉とリラックスすることがとても大切。それをやるだけで、早い方はすぐに妊娠します!」

1 2

山田ノジル

自然派、エコ、オーガニック、ホリスティック、○○セラピー、お話会。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のないトンデモ健康法をウォッチング中。当サイトmessyの連載「スピリチュアル百鬼夜行」を元にした書籍を、来春発行予定。

twitter:@YamadaNojiru

Facebook

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

知っておきたい女性の病気 乳がんと子宮がん検診 (カドカワ・ミニッツブック)