19日、映画『杉原千畝 スギハラチウネ』の製作報告会見が都内で行われ、唐沢寿明(51)や小雪(38)ら出演陣が出席した。
同作の主人公・千畝の妻で3人の子供を持つ幸子を演じた小雪は、この日が第三子妊娠後、初の公の場。「(幸子は)たくましく生きて、日本人としてのやわらかさも兼ね備えていたと感じながら演じました」と話し、今後は実生活でも3人の子供の母親になることにあたって「私も親になって初めて人間にさせていただいたと思っている。自分ひとりで生きているような錯覚があったけれど、いろんな方々の力を借りて生きてこられたということを痛感しています」と周囲の人々への感謝の気持ちを表した。
しかし、この発言の「親になって初めて人間にさせていただいた」という部分だけがピックアップされ、波紋を呼んでいる。ネット上では「不妊の人に失礼」「子供を産めない女性は人間じゃないとでも?」とバッシングが殺到し、会見の場にいた唐沢は妻の山口智子(50)との間に子供がいないことから「唐沢さんに対して配慮が足りない」との声まで。ただ、「自虐コメントにも取れるから悪気はないんだろうけど、公の場では適切ではない発言かもね」と、小雪の発言の意図をくみ取る意見もあった。
今回の発言がもし「親になって人として成長できた」であったならば、わりと定番のフレーズであり、すんなり聞き流されて批判が沸くこともなかっただろう。小雪本人もそうした意味での発言だったかもしれないし、彼女が個人的に「親になる前の自分は幼稚だった」と考えていただけで、世間の女性全般に対して「あなた方も子供を産まないうちは人間でない」と言い放ったわけでは決してない。言葉のチョイスが誤解を招きやすいものであったことには変わりはないが……しかしそもそも小雪はそういう炎上しやすい性分である。女優でありながら、炎上ママタレのポジションも同時に確立していると言って過言でないだろう。
2012年の金環日食フィーバーで、現象の起きる前日であったにも関わらず「もう見ました」ととんでもない発言をしたことで世間の反感を買い、特にネット上ではすっかり「嘘つき」呼ばわりされるようになってしまった小雪。その後、第二子を韓国で出産したが、診療費の未払いなどが原因で現地の産後ケア施設に告訴されたことが明るみになったり、にも関わらず、「日本にも増えてくるといいですね」と韓国の産後ケア施設を推したこともあり、イメージダウンはさらに加速した。単純に「韓国嫌い」な人々からのバッシングにとどまらず、「普通の子育てがしたい」と公立保育園への子供の入園を希望しただけで「金持ちのくせに!」と叩かれ、夫・松山ケンイチの俳優活動が(視聴率面で)順調でなければ「サゲマン!」と罵られ……さすがに気の毒になる。こちらの著書分析記事にもあるが、基本的に小雪の生き方はスピリチュアル。今回の会見での「人間にさせていただいた」という妙な言い回しも、自らに宿り生まれてくれた命に感謝、周囲の人々とのご縁に感謝、という素直な気持ちのあらわれだと考えれば、実に見事な小雪節なのである。本人にしてみればいくら炎上したところで「何が悪いのかさっぱりわからない」だろう。
(シュガー乙子)