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“女性性”によって社会や組織に復讐する爆弾としての上西小百合や小保方晴子

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(C)柴田英里

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 遅ればせながら元維新の会所属で「浪速のエリカ様」と呼ばれた上西小百合議員の記者会見の映像を見ました。

 目尻を中心に植えすぎた稲のようにぞろぞろと繁るあの下まつげメイク(つけまつげなのかエクステなのか)や、「自称美人」風のファッションセンスが多くの女性たちから嫌われるのはものすごくよくわかりました。

 『「自称美人」風のファッションセンス』とはなにか。「自分の中の憧れ」のファッションを「万人に共感されるもの」と勘違いしたまま実行しているような「ズレ」が目立つものが“自称美人”風と揶揄されるのではないでしょうか。しかも上西議員の場合、「自分の中の憧れ」が「紅一点、愛されマドンナ」といった、現代の女性ファッション誌の流行ともズレたものであるので、「女性ファッション」のユーザーの中には、「なんだあの全力で男ウケ狙ってるのにズレてる感じ」とツッコミをいれたくなる方も多くいたのではないかと思います。

 この「ズレ」は、ミソジニーの強いオジサンなどには案外わからないのではないかと思います。同世代から見たら「駅の自動改札機に切符ではなくガムを突っ込む」ような違和感も、女性を「若い女の子」「自分に都合の良い女の子」「いけ好かないババア」くらいの価値判断でしかとらえないような人たちからみたら、「切符もガムも同じだ、長方形で薄いだろ!」くらいの認識なのかもしれません。

 さて、ここまで「容姿いじり」をしたのには訳があります。

 上西小百合議員だけでなく、元美人すぎる市議会議員の立川明日香さんや、あのSTAP細胞騒動を巻き起こした小保方晴子さんも同様であると思うのですが、彼女たちは、「保守的なオッサンが好む若い女の子」像を装うことによって組織で権力を得て、それによって組織に爆弾を落としているように思うからです。

 「より良い政策を達成すること」が議員に求められ、「不正をしないで研究に打ち込むこと」が研究者に求められるのは至って常識的なことであると思うのですが、彼女たちにはそうした常識よりも、「美人すぎる」だとか「浪速のエリカ様」だとか「割烹着に清楚系巻き髪」だとか、要するに、「保守的な男性に都合よく夢を与える容姿や振る舞い」が求められていました。

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柴田英里

現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

@erishibata

「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」

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