カルチャー

ロングバケーションよ永遠に…ダサい地元におさらばして世界をぶっ壊すギャル4人衆!

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【カッコよすぎるビッチ映画 vol.1】

『スプリング・ブレイカーズ』

(C)Spring Breakers, LLC

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 地方の田舎町で10代を過ごしたほとんどの女の子は、地元の退屈さやダサさにうんざりして、「いつかここを出て、もっと華やかで楽しい場所で、もっと刺激的な生活を送るんだ」と夢見たことが一度はあるはず。この狭い日本に限らず、アメリカでも田舎ギャルの心境は似たようなもののようだ。

 6月15日公開予定のハーモニー・コリン監督『スプリング・ブレイカーズ』は、女子大生4人組が地味な大学生活から抜け出すため、スプリングブレイク(=春休み)を利用して夢のフロリダへ金髪をなびかせながらきゃっきゃと出向いていき、はじけまくるストーリー。

 「夢のフロリダ」では、ビーチでアホ丸出しのDJが「ビッチとビキニだけが人生だー!」と叫ぶ横で、女は基本的におっぱい(見事な豊胸)をあらわにエロいダンス、クスリや乱交も当たり前と、日本人の感覚では信じられないような光景が繰り広げられている。ハレンチでおバカではあるけれど、とにかく若者が楽しそう。女子大生たちもすっかりその世界にはまってしまい、連日カラフルなビキニ姿でお祭り騒ぎを大いに楽しむ。そんな格好でウロウロしてるとおなか冷えちゃうよという老婆心も10代の若者には無用、これでもかってほど春休みを謳歌して、ハメをはずしすぎて強盗まで犯してしまうからヤバイ。

(C)Spring Breakers, LLC

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男に媚びないビッチがカッコよすぎる!

  しかしこの映画、おバカなビッチたちが、自分たちの若さ溢れる肉体や可愛い顔を武器に男とやったりやられたりするお話なのかと思いきや、期待はずれなほどほとんど男女関係が絡んでこないし、裸はいっぱい出てくるけど露骨なセックスシーンもない。

 ビッチたちは、お金が欲しければ男に体を売るのではなく、自分たちで目出し帽をかぶってお店を襲う。自分たちがピンチにあったとき助けてくれた男にも、感謝して仲間に入れてもらうのではなく、仲間にしてあげる(もちろんセックスもするけれど、大して興味はなさそう)。

 若くて美しくて男に媚びないビッチ、それがこの映画のヒロインたちなのだ。その姿は、そのへんのアクションヒーローより、断然かっこいい。

 ビッチ、といえば今までは、性にだらしがない、いわゆるヤリマンと陰で呼ばれるような、ダメな女への蔑称だったけど、そんな時代はとうに過ぎ、今では「やりたいからやる、何が悪いの?(それはセックスに限らず、強盗だって)」と言い切れる、ある意味素直すぎる女たちのことを指していると言っていいかもしれない。そんな女の子たちが、誰にも遠慮せず自分たちのやりたいようにやった結果、映画は意外な方向に……。

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gojo

1979年生まれ大阪出身、立教大学社会学部社会学科卒。2005年より自身のサイト「gojo」にて映画日記を執筆、2010年には蓮實重彦、黒沢清『東京から 現代アメリカ映画談議』(青土社)の出版記念トークイベントにてインタビュアーをつとめた。「森﨑東党宣言!」(インスクリプト)に寄稿。gojogojo.comで映画日記を更新中。

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