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所沢市だけの問題じゃない「第二子出産で保育園退園」

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Photo by woodleywonderworks from Flickr

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 今月12日に産経ニュースで、「育休取得 0~2歳児は保育園退園 埼玉・所沢市、復職時の復園担保」という記事が配信されました。これは、内閣府による「子ども・子育て支援法」の施行に伴い、埼玉県所沢市が今年度から導入する新制度に関する記事で、噛み砕いて言えば、保護者が育児休業を取得した場合は、0~2歳の園児は退園させられるというものです。

 これまでも、第一子出産後に育児休業をしている場合、国の定める「保育を必要とする事由」(後述)に当てはまらなければ、「(児童福祉施設での)保育は必要ない」と判断され、保育園に預けることはできませんでした。

 今回の所沢市の新制度で注目されているのは、母親が第二子を出産し育児休業を取得した場合、「家庭での保育が可能」として、それまで保育園に預けていた第一子も原則、退園させられてしまう点です。しかもこの問題は、所沢市だけでなく全国各地に限らない可能性があるのです。

少子化対策に逆行した制度が全国に広がる可能性

 まずはこの件についての所沢市による見解を見てみましょう。

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Q1 なぜ育児休業を取得すると上の子が退園となるのか?

A1 育児休業中は、ご家庭での保育が可能ですので、原則として保育の必要性には該当しないこととなります。また、育児休業期間中はお父さん、お母さんと子どもたちとで一緒に過ごし子どもたちのペースに合わせて生活をする中で、兄弟姉妹親子関係を築く良い機会としていただくため、市といたしましても育児休業中の保育園以外の保育サービス(一時預かり事業や地域子ども・子育て支援事業)についても充実をはかってまいります。また、ご家庭で過ごす間、保育園での園庭遊びや行事の参加など、在園時のお友達と過ごす機会を設けるなど施設に協力を求めていきます。

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 こうした見解を前提に、今回の新制度が導入されたようです。これに対し、5月24日に所沢市で「育児休業取得保護者の0~2歳の保育園児を退園させる所沢市の新制度について考える集会」が開かれ、「育休退園の撤回」と「保護者が在園継続の選択をできる仕組みに戻すこと」が望まれました。

 また新制度導入の報道後に「所沢市が『2人目できたら1人目は保育園を退園』に!少子化推進政策と非難殺到」というtogetterがまとめられ、集会同様に、所沢市の今回導入した新制度への非難が殺到しています。

 埼玉新聞によると、所沢市で開かれた集会では会長の石上将史氏が「所沢がテストケースで、ここで泣き寝入りすると全国の自治体に波及する。ここで食い止めれば全国の自治体での改悪を阻止できる」と、新制度を導入した所沢市をモデルに、全国の自治体が同様の制度を施行することを懸念しています。

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