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男性特権は、どこから崩されるか

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男女比のバランスの悪さが女性への偏見を生む?

 とはいえ、男性特権の記事が身に沁みたのは、私自身にも女性蔑視的な偏見があるなあ、と思い当たる節があったからです。私の現在の職場は、総合職の男女比が8:2ぐらい。男性、というかおっさんが多く、逆におばさんの総合職が極端に少ないアンバランスな状態にあります。ちなみにおばさんでない女性は非常~~~に少ない。このアンバランスな人員配置は、偏見を生みやすい環境の一因かもしれません。

 たとえば、ただでさえ少ない女性のなかで、悪い意味でインパクトのある女性(なにか指摘すると超ヒステリックに反論してくるだとか、絶対自分の非を認めないとか、仕事を依頼してもやってくれないが依頼は頻繁にしてくるとか!)がいると、その人個人への悪い印象が、他の女性へのイメージに波及してしまって……。ヒステリックな反応が多いのは彼女個人の、単独の問題なのに、つい「女性はヒステリックな反応をする」と大きな主語に還元してしまう、というか。それが回り回っていくと「女性はすぐヒステリーを起こすから議論ができない」という偏見に結びついてしまいます。

 前述の先輩が持っていた「女性にはマネジメントや交渉ができない」という偏見も、そもそも少ないサンプルから抽出した印象論でしかないものでした。一方で、おっさんの場合はサンプルが多いので、ヒドいおっさんがいたとしても、その悪印象が「男性」というマスに投影されることは少ないのでは……? またたとえ話で恐縮ですが、1人の不潔で臭くて仕事のミスが多い40代の男性社員がいたとして、女性社員から「男って本当に臭くて汚くて仕事もできない、最悪の生き物よね」と一括りに罵られることはあるでしょうか。たとえあったとしても、「いやいや、そんなこと言ってる女のほうがおかしい」となりそうですよね。また、先ほどの先輩は「おいおい待ってくれ、俺はそんなことないぞ」といの一番に言い出しそうです。

女性への偏見を解消するために経営者がしていること

 ふと、以前に従業員500人ほどのIT企業の社長にインタヴューした経験を思い出しました。その際「政府が掲げている『女性管理職比率30%』の目標に対して、なにか会社として取り組んでいることはありますか?」という質問をしたところ「女性にはハイヒールを履かせたら良いと思っているんです」という答えが返ってきたんですね。

 一瞬「女性は女性らしくハイヒールを履かせる」みたいな女性性の押し付けなのかと思って驚いたんですが、その社長さんの言わんとしていることは、「女性を評価するときには下駄を履かせて点数をつける」ということでした。その社長さんの会社では、同じぐらいの実力がある男女がいたら、ハイヒールを履かせて女性のほうを高く評価する方針が敷かれているようでした。

 「そんなことをして男性から反発はないんですか?」と私は尋ねました。返ってきたのは「当然あるでしょう。しかし、そうでもしないと、いつまで経っても女性管理職は増えないですし、男性中心の価値観は続くと思いますよ。いつまでも男性中心でいる会社は、将来的には滅びると考えています」という答えです。トップダウン式にこうした改革が広まっていけば、少しずつ男性特権による男女の格差も埋まっていくのかもしれません。

■カエターノ・武野・コインブラ/80年代生まれ。福島県出身のライター。Twitter:@CaetanoTCoimbra

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

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