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同性愛者はHIVの感染源? 続出する政治家のトンデモ発言

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Photo by Julie Missbutterflies from Flickr

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 政治家のトンデモ発言が続いています。今月18日、自民党の今津寛議員が、成人年齢引き下げを議論する「党成年年齢匿名委員会」において、「高校生がセーラー服を着て産婦人科に入り、子供をおろすことができるというのは世間だれもが認めないだろう」と語ったことが報道されました(毎日新聞 自民・今津氏:高校生の中絶「世間が認めない」)。何重にもあきれ返る発言ですが、今月24日にも、宝塚市の市議がトンデモない発言をしていることが判明しました。

 朝日新聞によると、性的マイノリティを支援する条例制定を検討している兵庫県宝塚市の市議会6月定例会において、自民党の大河内茂太市議が「同性愛者が集まってHIV感染の中心になったらどうするのか、という議論が市民から出る」と発言していました。

 さらに大河内市議は「女子校や男子校などでは同性カップルが多い。環境によって後天的に同性愛者になる。学校での児童生徒への啓発活動が同性愛を誘発する可能性を否定できない」とも。

 いずれも性的マイノリティへの差別発言です。「同性愛者が集まってHIVの感染の中心になる」の根拠が不明です。さらに大河内市議は「~という議論が市民から出る」と発言していますが、つまり現時点では市民からそういう声が「出ている」ワケではありません。そうした発言が実際に出たならば、議論をすればいいのですから、この想定がそもそも必要ありません。

 続く「女子校や男子校などでは云々」という発言もヒドいものでした。「女子校や男子校などで同性カップルが多い」 ……「データあるんですか?」と伺いたいものです。また、女子校および男子校でもし本当に同性カップルが多かったとしても、そのことが「環境によって後天的に同性愛者になる」ことを証明するわけではありませんよね。

 「啓発活動が同性愛を誘発する」はもはや意味不明です。啓発活動は同性愛を推奨する活動ではなく、同性愛者を差別しないための啓発活動です。そもそも市議の発言は「同性愛は悪である」という思い込みに基づいています。さらに大河内市議は、批判に対する返答もヒドかった。

「差別する意図はなく、発言を取り消すつもりはない。LGBTへの支援は必要だが、同性婚容認につながる条例制定に反対する立場から発言した」

 政治家の皆さんはよく、「○○の意図はなかった」と発言されますが、差別の意図がなければ差別的な発言をしていいわけじゃありません。

 おまけに「人権は大切だが全体の利益の中でのバランスが必要だ」とも答えているようですが、これはすなわち「人権よりも公益を優先する」と主張しているのと同義です。全体の利益の中でバランスを取らなくてはいけない問題もあるでしょうが、基本的人権は何よりも守られなくてはいけない第一義です。馬鹿も休み休み言って欲しい。

 宝塚市は、渋谷区のパートナーシップ証明書条例が話題になった後、比較的早い段階で同類の条例制定の検討を議論し始めた自治体です。その宝塚市でこのような発言が出ることは非常に残念ですが、大河内市議以外の、理解ある市議がいるからこそ、早々に検討が始まったのでしょう。これからの宝塚市議会に期待です。
(水谷ヨウ)

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