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「よき家族」を求めることと、「家族のありかた」を問うことは別物だ。『海街diary』是枝監督の家族観への疑問

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『海街diary』公式サイトより

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 私はこの映画『海街diary』の原作者・吉田秋生さんの漫画のファンです。初期の「カリフォルニア物語」から、「吉祥天女」も、「河よりも長くゆるやかに」も、そしてあの圧倒的な「BANANA FISH」はもちろん、女子校出身としては見逃せない「桜の園」や、「海街diary」の姉妹編である「ラヴァーズ・キス」、それから個人的にはいまいちというか、風呂敷を広げすぎてしまった気がしないでもない「YASHA-夜叉-」や続編の「イヴの眠り」まで、短編も含めたほぼすべての作品を読んできました。そして、そこで描かれる「孤独」と「絆」に涙してきたものです。

 映画版『海街diary』は、前作『そして父になる』で第66回カンヌ映画祭審査員特別賞を受賞した是枝裕和監督の最新作で、主人公の四人姉妹を演じるのは、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず。以下、簡単なあらすじです。

 鎌倉の一軒家に住む三人姉妹のもとに、15年前に家族を捨てた父親の訃報が届く。山形で姉妹を出迎えたのは、腹ちがいの妹すず(広瀬)だった。すずの母【父の二番めの妻】はすでに他界していて、彼女は頼りない義母【父の三番めの妻】を健気に支えているようだ。そんなすずに、三人姉妹の長女は自分たちと一緒に暮らすことをもちかけ、鎌倉で四人の共同生活がはじまる。長女の幸(綾瀬)はしっかり者、次女の佳乃(長澤)は奔放な酒飲み、三女の千佳(夏帆)はマイペース。タイプはばらばらだけれどなんやかんやで小気味よく進む三姉妹のやりとりに、最初は遠慮がちだったすずもすこしずつ馴じんでいく。そんな日々に、すずが通うサッカースクールのチームメイトや、行きつけの食堂のおばちゃん、祖母(故人)に三人姉妹を預けて家を出た母【父の一番めの妻】など中年の女性たちが登場しながら、姉妹たちは死んだ父と向き合っていくことになる……。

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