連載

結果的に小泉進次郎の好感度がUPしちゃったテレ東選挙特番

【この記事のキーワード】
山本太郎

こちらは当選しちゃった山本太郎

 2013年・夏の陣、“参議院選挙”へ向けて街のあちらこちらで手を振る候補者を乗せた選挙カーが走り回っていた。その選挙カーからはいつものように拡声器で増幅されたそれぞれ各党の候補者名やマニフェストが飛び交い、騒がしい期間が2週間あまり続いた。

 ネット選挙元年ということもあり、TwitterやFacebookなどのSNSを用いた選挙運動も解禁となり、今まで選挙に無関心だった若者たちが候補者の名前を目にすることが多くなったことで、より選挙を身近なものに感じることができるようになったのではないだろうか。その割に投票率が思いのほか上がらなかったのは残念であるが。

 そんな選挙の開票時に激しく話題が盛り上がる番組がある。選挙特別番組として異彩を放つ、テレビ東京が制作する池上彰さんの選挙スペシャル番組である。昨年の12月に行われた衆議院選挙の時にも特番として放送されたのだが、その時の放送が選挙特別番組にしてはアバンギャルドで、オモシロ要素が多過ぎて、手の込んだ政治バラエティ番組を見ているかのような錯覚さえ感じた。

 池上さんが鋭く斬り込む尋問インタビュー攻撃で政治家たちに襲いかかったり、当確した候補者たちの紹介文がふざけたような内容だったり、選挙特番がなんでこんな楽しいんだろうと、感動したものである。長時間の放送にもかかわらず、時間があっという間に過ぎて行った。結果、時間帯によっては民放で1位の視聴率獲得! テレビ東京がすばらしく大健闘していた。

池上さんのSっ気がたまらにゃい

 7月21日に放送された『池上彰の参院選ライブ』も前回の放送の衝撃があったものだから、期待値を込めてだいぶ食い気味に見ていた。他局がCGを多用したりして視覚的効果を狙って様々な解説しているのに対して、こちらはアナログ仕様で分かり易く選挙の仕組みを教えてくれる。候補者の支援者にはどういう人たちがいるかなどを手作り感のある模型のお人形と単純な装置で表現し、女子アナがそれを手動で動かしていた。うん、とってもわかりやす~い♪ 今回の視聴率は10%越えで他局に圧勝! 池上さんの選挙特番をまた見たい、と思った視聴者はかなり多かったようだ。

 前回放送時もネットなどでも評判になった当確候補者の紹介テロップは健在。今回もなぜそれを紹介文に入れちゃうの!? という意表をついた内容が散りばめられていたのでその一部をご紹介したい。以下敬称略。

●森雅子 → 若手“ヤジ将軍”の一人 12歳で父が全財産を失う “ミセスネバーギブアップ”

●高橋克法 → 炭焼き師“初級”の資格 「炭焼きは人間をつくる」「炭焼きは地球を救う」

●古川俊治 → 難関資格を次々取得 TRF SAMのいとこ 備考 創価学会が嫌い

●山下雄平 → 元日経新聞記者 ペーパー潜水士 ペーパー小型船舶操縦士

●長浜博行 → 野田前総理の側近 ヨネスケに“晩ご飯”でタイカレーを振るまった

●大沼瑞穂 → 元外務省 元NHK 公募で出馬 チベットで僧侶から求婚

●吉川有美 → 民主・岡田王国への刺客 “くのいち”修行中に崖から滑り落ちかけた

●辰巳孝太郎 → 地元ラジオで映画解説 留学中は150日麻婆豆腐 朝からステーキも平気

●薬師寺道代 → 緩和医療の医師 福袋フリーク

 どれも全くもって、政治には関係のない内容だらけ。「炭焼きは地球を救う」って、焼肉屋さんのキャッチフレーズですか!? ペーパードライバーならぬ“ペーパー潜水士”の響きがマヌケで笑える! せっかく特殊な資格取ったのに~!“突撃!隣の晩ご飯”でヨネスケに自分の家がガチ訪問されちゃった政治家とか!「“くのいち”修行中に崖から滑り落ちかけた」って趣味の域を超えて“くのいち”の修行マジにやってたんですかっ!? いったいどこを目指してるんでしょう?「福袋フリーク」ってただのお得好き主婦じゃないですか~!

 と、まあ、ツッコミどころの多すぎる紹介テロップが次々と出て来て、釘付けになったわけである。もちろん、ちゃんとした真面目な紹介文もあるわけで全てがふざけたものではないのだが、それだからか余計にオモシロ紹介文が出て来ると「キター!」とテンションが上がって見てしまうのだった。これを見れただけでも、この選挙特番を見た甲斐があったなぁ、と思わせるキラーコンテンツである。テレビ東京の遊び心がこんな部分で味わえるわけだ。

 そして、前回放送時に石原慎太郎へのインタビューで「だから暴走老人と言われている」とか「石原さん、相手によって態度を変えるようです」など池上さんの方が暴走発言したり、公明党に対しては「創価の組織票ですね」とギリギリ発言をして池上さんの斬り込みぶりが凄かったのだが、今回また新たな対決が見れるかと期待していた石原さんは結局最後まで番組中継が繋がらず、暴走バトルを見届けることができなかったのが残念だった。池上さん、嫌われちゃったのかな~。

 また別のコーナーでは応援演説で香川県の小豆島へ向かうという自民党の小泉進次郎の演説術を分析するために、スタジオのコメンテーターでもある宮崎美子さんを引き連れて池上さんは追っかけ取材をしていた。進次郎演説には「いつもご当地ネタ、方言、ダジャレが折り込んである」と分析する池上さん。

 移動中のフェリーの中でもちょっと離れた場所から行動を見続けて、池上さんは進次郎の“あざとさ”を指摘し始める。子どもに積極的に話しかけている進次郎の様子を見て、「子供が家に帰ってそのことを話すことで家族をとりこにする」などジャブを入れ、ナレーションも「全てが戦術的な小泉さん」とちょっと意地悪気味に入ったりして。

 池上さんの分析は応援演説中の進次郎の服装にまでおよび、「他の人が黒っぽいスーツ着てるでしょ、一人だけ白いシャツで目立つし、長袖をたくし上げるのが大事。半袖じゃなく長袖をたくし上げるのがミソなんです」と、暑いなか長袖をたくし上げながら必死に演説を頑張ってる姿をも戦術のひとつなんだよと視聴者にアピール。なんだか、進次郎の行動すべてが“あざとい”のでは? と洗脳されてしまいそうな勢いである。ザ・池上マジック!

1 2

テレ川ビノ子

テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

経済のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ