そんなファンファクトリー、ドイツ国内に3店のショップが構えています。ベルリン店の写真を見せてもらうと、まるでアパレルのセレクトショップのよう。モノトーンを貴重とした空間に、ファンファクトリーの真骨頂であるポップカラーが見事に映えています。
トーマス「カップルだけでなく女友だち同士、女性ひとりなど、いろんなお客さまがいらっしゃいます。ランジェリーやフェティッシュファッションのアイテムもあるので、後ろめたさや恥ずかしさを感じる方はいないでしょうね。店内が広いのでゆったりとした気分で、グッズを手にとっていただけますよ」
うらやましい! 日本のアダルトショップ、まだまだ女性にとっては入りにくいところばかりだし、そのうえ店内がむっちゃ狭い。所狭しと商品が並べられていて、それはそれで目で愉しめるのかもしれませんが、通路で人と人とがすれ違えないほど……というのは、やはり閉口します。ファンファクトリーの場合はブランド直営店だからこそ、こうしたぜいたくな作りが可能なのでしょうが、ラブグッズショッピングを時間と空間ごと愉しめるショップはまだ日本にほとんどありません。
最後に、トーマスに直接、質問をする機会をもらいました。
ーーファンファクトリーはLGBT向けの商品も多いですね。社内にも、いろんなセクシャリティの方がいらっしゃるのですか?
トーマス「社員のセクシャリティは多様です。私たちが目指しているのは、『ファンファクトリーには自分用の商品がない』という方をゼロにすること。だから、あらゆるセクシャリティの方に使ってもらえるグッズを提案していきますし、価格についても同じです。ハイエンドモデルはどうしても高額になるのでなかなか購入できないという人も多いですよね。そこで、カジュアルなラインも用意し、お買い求めいただきやすい価格設定にしています」
ーー300本超のバイブが居並ぶバイブバーをどう思いましたか?
トーマス「これはすばらしいアイデアですよね! こじんまりしていて、なぜか心が落ち着き、くつろげます。しかも、ここは女性のためのお店と聞いています。女性たちが安心してバイブを手にとり、話ができる空間というのはたいへん貴重ですね」
性への感心が高く、よりよい快感を積極的に求めるオープンな空気と、ドイツらしい真摯な物作りへの姿勢。終始、紳士的かつフレンドリーに接してくれたトーマスは、まさにファンファクトリーという会社そのものを体現しているようでした。バイブコレクターとして、これからも同ブランドを応援します! その気持ちを表すためにも、何か買おうかな。買ったらまた当コラムでレポします。
■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。Facebook、twitter
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