恋愛・セックス

増えるデートDV 「男がリードしなければならない」という思いと心理的攻撃

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 今年5月に、デートDVの予防教育に取り組むNPO法人SEANが発刊した報告書「若者の性意識とデートDV」が、毎日新聞で記事になり話題になっていました(『デートDV:男子学生の半数「恋人なら性的要求にこたえるべきだ」と回答 予防教育の必要性』)

 この記事で注目されているのは、「恋人なら自分を優先させるよう相手に矯正するのも愛情だと思うか?」という問いへの回答は、「あまり思わない」「まったく思わない」が男女ともに9割である一方で、「恋人なら相手からのキスなどの性的な要求にこたえるべきか?」という問いに対して、男子の49%が「大変思う」「やや思う」、女子は「思う」が34%という点でした。

 SEAN事務局長の遠矢家永子さんは「恋人同士の束縛は否定的な一方で、性的欲求には理解が進んでいない」と記事中で考察しています。

 この「性的な欲求にこたえるべきか?」をどのように解釈するか。詳しくはSEANが発刊している報告書をあたる必要がありますが、文字通り「恋人なのだからこちらの性的欲求に応えて当たり前だ」と考える男子が多いのかもしれません。また、別の解釈も可能でしょう。例えば、日本性教育協会『「若者の性」白書 第7回 青少年の性行動全国調査報告』ではキスについての興味深い調査が行われています。調査項目のひとつに「初めてのキスの経験は、どちらから要求しましたか」があるのです。

 これに対し、「自分から」と答える男子は中学で14.9%、高校で29.0%、大学で38.2%であるのに対し、女子は中学で6.5%、高校で2.1%、大学で2.3%と少ない。また「相手から」と答える男子は中学で37.7%、高校で17.2%、大学で13.1%、女子は中学で46.1%、高校で57.9%、大学で66.5%となっている。初めてのキスについては、男子から要求するという傾向があります。

 ここから、「男性側がキスを要求しなくてはいけない」つまり「男がリードしなければ」という思いの強い男性が、その思いが強いが故に「その要求に答えて欲しい」と思っている可能性が考えられる。デートDVに関する性的欲求の理解を進めるにあたって、男性側のそうした思いを解いていく必要性もあるのかもしれません。

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