ライフ

男性中心の労働慣行をどう考える? 男女共同参画基本計画素案が発表される

【この記事のキーワード】
Photo by KC Wong from Flickr

Photo by KC Wong from Flickr

 内閣府の男女共同参画会議が、来年度から5年間実施される「第4次男女共同参画基本計画」の策定に向け「基本的な考え」の素案をまとめました。この素案をもとに、パブリックコメントおよび、全国6カ所で開かれる公聴会を通じて意見を募った上で、今年中に第4次男女共同参画基本計画が策定される見通しです。

 第4次男女共同参画基本計画は、「今後10年間を見通した目標」と「今後5年間に実施する基本的な方向と具体的な取組」をまとめるものです。日本で働く人びとにとって、今後の生き方にかかわる重要な役割を担っているだけに、素案の段階で基本的な方向性を確認しておくことが重要でしょう。

「男女中心型労働慣行」という新しい文言

 本素案では、4つの目指すべき社会が提示されています。

(1)男女が自らの意思に基づき、個性と能力を十分に発揮できる、多様性に富んだ豊かで活力ある社会
(2)男女の人権が尊重され、尊厳を持って個人が生きることのできる社会
3)男性中心型労働慣行等の変革などを通じ、仕事と生活の調和が図られ、男女が共に充実した職業生活、その他の社会生活、家庭生活を送ることができる社会
(4) 男女共同参画を我が国における最重要課題として位置づけ、国際的な評価を得られる社会

 前回の第3次男女共同参画基本計画でも「目指すべき社会」が4つ掲げられていましたが、そのうち3つは第4次素案の(1)(2)(4)とほぼ文言が同様です。一方、(3)に対応する第3次の項目は「固定的性別役割分担意識をなくした男女平等の社会」であり、「男性中心型労働慣行等の変革」という文言は記されていませんでした。ここが大きなポイントになると思います。

 第3次と本素案をつぶさに見比べれば、方向性は同じくしていても、具体的な政策が異なっているものは様々にあるのでしょう。しかし大まかな方向性の差異を見るときに、「男性中心型労働慣行の変革」がキーワードになるのではないかと考えられます。そこで今回はこの「男性中心型労働慣行」という言葉に注目して素案を読みたいと思います。

なぜ「男性中心型労働慣行」を変革するのか

 まずは、「固定的性別役割分担意識」と「男性中心型労働慣行」の違いを確認しましょう。

 第3次計画、第4次素案によれば、「固定的性別役割分担意識」とは「働き手や稼ぎ手は男性で、女性が働くのは家計補助の目的であるという」意識であり、「男性中心型労働慣行」とは「年功的な処遇、男性正社員を前提とした長時間労働、既婚女性の家計補助的な非正規雇用などを特徴とする働き方」を指すようです。

 どうやら「男性中心型労働慣行」は「固定的性別役割分担意識」に比べて、より「働き方」に踏み込んだ言葉のようです。

 「働き方」と言えば、周知の通り、政府は「すべての女性が輝くため」に女性の活躍を推進せんとしています。

 6月26日に開かれた「すべての女性が輝く社会づくり本部(第二回)」で配布された資料には、女性活躍を加速するための重点方針として「女性参画拡大に向けた取組」「社会の課題解決を主導する女性の育成」「女性活躍のための環境整備」「暮らしの質向上のための取組」の4つが掲げられています。

1 2

[PR]
[PR]

messy新着記事一覧へ

仕事と家族 - 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか (中公新書)