連載

今度こそ変わりたい無職にやらせてみたいことを募集します

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担当編集者から「どうせ暇なんだろ。試しにテラスハウスに応募して下さいよ」と言われて応募した文面。当然落ちた。

担当編集者から「どうせ暇なんだろ。試しにテラスハウスに応募して下さいよ」と言われて応募した文面。当然落ちた。

さて、無職の連載です。前回の原稿であんな終わり方をして、おっと、これからどうなるの、っていうとこで終わっておいてなんなのですが、ここで編集者からのテコ入れが入りました。

「奥山さん、恋愛にうつつを抜かしている場合ですか」と彼は怒気をはらんだ声でそう電話をかけてきました。あんた、恋愛がうまくいこうがいくまいが、結局無職のままじゃないですか。いや無職なのは別にいいとしても、それで明るい未来が手に入るんですか。連載当初を思い出してくださいよ。それとも恋愛がうまくいったら奥山さんの人生はそれで全部ハッピーなんですか。いつからそんな恋愛至上主義者になったんですか。とか何とか、彼はそんなことを矢継ぎ早に言ってきました。

なるほどこれがテコ入れという奴か、と僕は思いました。編集者からの注文が入った以上、ここで別の展開を考えなければいけません。しかし僕は全く途方に暮れてしまいました。そう、皆さんもお気づきの通り、僕はこれまでいろいろ相談して来て、一度も何か前向きな結論に達したことがない。

いつも読者の皆さんからのコメントを実行しては、やっぱり働きたくないとかやっぱり友達はいらないとかやっぱり元カノのことを忘れたくないとか、やっぱり飼い犬は愛せないとか、ほとんどそういう感じでやってきているわけです。相談内容自体に問題があるんじゃないかというコメントを読んで、僕は全くなるほどその通りだよなぁ、と思ってしまいました。

あなたの世界には自分しかいない

こんなことではいけません。そういえば先日ミョンちゃんにも次のようなことを言われてしまいました。

「あなたは自分の殻を破るような行動をしたためしがない。いつも自分の世界の中に閉じこもって自分の出来る範囲のことしかやらない。新しい世界を見たり新しい経験をして新しい自分になろうという努力をしたことがない」

ムカつくじゃないですか。そんなこと言われたら。でも確かにそうなのかもしれない、と思うところもありました。つまり、いつもこうやって毎日実家のクーラーの効いた部屋でのうのうと暮らして、パソコンの前に座って文章をこねくり回しているだけだから、皆さんからのコメントを頭では理解しても全身で感じることができていないんじゃないか。そう、これはつまり、コメントする皆さんの側の問題というより、僕の姿勢や態度の問題なのです。……といったご意見は今までもさんさんいただいていたのですが、最近確かにそうかもなと僕自身思い始めました。

しかし、今までたとえば自分の人生を振り返っても、逆にアドバイスをする立場だったことがないわけではないのです。サークルの後輩や会社などでも、もっとこうしたほうがいい、ああしたほうがいい、と親身になって意見をしても、一向に響かないやつって確かにいました。殴りたくなりますよね。でも、それが今の僕なのですね。このままではいつか読者に愛想つかされてしまうのかもしれません。いやもう愛想を尽かされ始めているのかもしれないですね。

でも、自分の過去の記憶に照らし合わせてみても、そういう、ある種どうしようもない奴というのに、いくら言葉を尽くしてアドバイスしてやったところで、結局何かが本質的に変わったところを見たことがないのです。ああ、そうだ自分の今までの考え方は間違っていた、あなたの言うとおりだ、これからは心を入れ替えて頑張ります、なんて言う奴がいたためしがない。いや、表面的に言う奴はいたけど、結局そういう奴ほど一ミリも変わる気配がない。たいてい、感情がもつれて人間関係がこじれて、うまくいかなくなるというパターンで終わってしまう。多分それは、誰でも一度は経験したことがあるんじゃないでしょうか。そうして人は、年を重ねていくにしたがって、もう他人に対してあきらめに似た気持ちを抱いて、あまり強く言うこともなくなり、どうせこいつは変わらないんだろうなぁ、と思いつつ、それでも反射的につい言葉を口にしてしまうのは、ある意味では自分の生き方を肯定するためなのかもしれません。少なくとも振り返ってみると、僕はそうだったような気がします。

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奥山村人

1987年生まれ。京都在住。口癖は「死にたい」で、よく人から言われる言葉は「いつ死ぬの?」。

@dame_murahito

http://d.hatena.ne.jp/murahito/

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