優先席での携帯電話の扱い方が変わるかもしれません。
8月4日、『グッド!モーニング』(テレビ朝日系)で、総務省が「携帯電話の電波が心臓のペースメーカーなどに影響を及ぼす可能性は非常に低い」という指針案を発表していることを報道しました。
多くの人が「やっとか……」と思われたかもしれません。「携帯電話の電波がペースメーカーに悪影響を与えるか否か」については以前から議論が交わされており、個人的には「悪影響はない派」が多数を占めていたように感じていました。
総務省は2013年1月に、それまでの「携帯電話とペースメーカーの距離を22センチ以上離すこと」を推奨する指針を、「15センチ以上」に変更しています。
これまで行われてきた調査は、携帯電話などの電波を利用する機器の電波を、規格上の最大出力で断続的に発射し、ペースメーカーなどの医療機器の感度も最大にして行われきましたが、この調査は「現実的でない」として批判されてきました。というのも日常生活において、携帯電話が最大出力の電波を断続的に発射することは稀であり、医療機器の感度を最大にして使用することもほとんどないのです。
方針案を策定するために行われた調査では、一部の埋め込み型医療機器が、携帯電話から最長5センチメートル程度の距離で影響を受けることなどが判明しています。しかしいま述べたように、この調査は決して現実的な仮定の上で行われたものではなく、日常生活において、同様の影響を与えるかどうかは定かではありません。
とはいえ総務省は今回の方針案でも、国際規格を踏まえる形で、植込み型機器と携帯電話の距離を「15センチ以上離すこと」とし、例えば車内の混雑時など、乗客たちの身動きが自由に取れない状況にある際には事前に携帯電話が電波を発射しない状態に切り替えることが望ましい、としています。
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